不登校・行き渋り 親の心構え
社会の変化で学校は「行かなくてもいい」と思う場所に
「学校は行かなければいけないところではない」
「こう考える子どもが増えています」と、教育や保育に詳しい家族・保育デザイン研究所代表理事の汐見稔幸さんは新型コロナ以前から不登校が増えている背景を話します。
子どもたちはなぜ学校に行かなくてもいいと思うようになってしまうのでしょうか。「日本の義務教育は住んでいる地域で学区が決められています。公立小・中学校は原則として、選ぶことができません。また、学習指導要領によって、北から南まで同じカリキュラムが行われています。
日本のどこに住んでいても一定水準の教育が受けられる義務教育は、明治以来、発展の基盤として高く評価されてきました。また、受験戦争や学歴競争の時代には、学校で勉強することには大きな意味がありました。
しかし今は価値観が多様化し、さまざまな考え方の人がいます。学歴社会は終わりつつあり、企業が求めているのは何か一つ秀でた個性のある人材です。それは今のような学校ではうまく育ちません」
現場の先生たちの中には、新しい時代に合わせて変わらなければと思っている人もいます。例えば、新しい問いが次々に出てくる今の社会をどうしたらいいか考える。そんな授業を行う学校だったら、これからの人生で役に立つはずです。しかし、先生がカリキュラムを勝手に変えることはむずかしい。その結果、本当に勉強が好きな子以外は、学校教育に魅力を感じなくなっている傾向がある、と汐見さんは言います。
一方で、こだわりや主張の強い子は学校に行くと浮いてしまい、いじめられやすいので、行きたくないと思っています。不器用な子、感受性が強い子、繊細な子も学校へ行くことに不安を感じています。「しかも学校の勉強に魅力が乏しくなってきて、子どもたちの不安も強くなっている。そのため『学校に行くのはつらい。勉強もつまらないから行くのはやめよう』となっているのでしょう」
子どもが学校へ行きたがらないときは?
子どもを責めず、自分を責めない
学校に行きたくないという気持ちを受け止める
自分とは別の人格としてリスペクトする
コロナ下、子どもの心を明るくする夏休みの過ごし方
子どもにワクワクする計画を立ててもらう
子どもが計画したことを「家族の文化」として親子で取り組む
時間を共有しながら、親は子どもの味方だと言葉や態度で伝える
