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経営者になり、副業時間は増加
個人事業主として、あるいは企業からの業務委託を受けて行うケースが多い副業ですが、中には本業の傍らで起業し、会社経営を副業にする人もいます。
日本オラクルで働くママ、鬼澤美穂さんもその1人。都内に夫と中学生の息子と3人で暮らしており、日本オラクルでは社会課題解決をテーマにした取引先企業の新規事業の立ち上げを企画したり、取り組みを社内外に発信したりするソーシャル・デザイン推進本部でブランドマネージャーを務めています。一方で、2021年10月に立ち上げた自身の会社incri(インクリ)では代表取締役CEOとして舵(かじ)を取っています。

様々な企業が知見や技術を持ち寄り連携し合う「オープンイノベーション」の広がりを背景に、官民が手掛ける社会課題プロジェクトなどにデジタル技術に精通した女性を連携させるというのが同社のビジネスモデルです。鬼澤さんは「多業界の女性を施策に結び付けて真の多様性を生むこと。そして、現場目線で社会課題を抽出し、共感によって成功に導く『共感イノベーション』の創出を目指しています」と話します。
同社には、総務省などが17年から手掛ける人材育成プロジェクト「5G・IoTデザインガール」で約半年間にわたってデジタル技術とその応用や事業展開などについて学んだ女性約30人が所属(22年9月時点)。それぞれが様々な企業や団体に所属しており、彼女たちの本業の合間を縫って、副業として活動しています。これまでに総務省やKDDI総研など10件以上のプロジェクトなどに参画してきた実績があるといいます。
鬼澤さんによると、会社経営の副業から得られる現在の収入は「世間一般の初任給程度」。ただ、「副収入以上に多くのものを経営者として得られている」と話します。そもそも、鬼澤さんはどんな経緯で会社経営を副業にすることになったのでしょうか。また、本業と子育てでもともと多忙な中、どのようにして副業としての会社経営を成り立たせているのでしょうか。その狙いやタイムマネジメントの工夫なども含め、詳しく聞いていきます。
・外部プロジェクトへの参加が転機
・しばらくは「受験」と無縁でいられる見通しが立ったこともアクセル踏むきっかけに
・「副業はするけど、子どもと向き合う時間は削らない!」と決意。では、鬼澤さんが削ったものとは?