仕事、育児がプレッシャー ワーママの憂鬱との付き合い方
-
1働くママの憂鬱の原因「しなければ」との付き合い方
-
2「ママの不安定な感情」が子に向かってしまう理由は
-
3「気持ちの切り替え力」を磨いて働くママの憂鬱を撃退
-
4どん底経験した役員ママが伝えたい「正しい頑張り方」←今回はココ
-
5働くママがモチベーションダウンしやすい原因と対策
育休復帰後、時間がないことの影響を痛感
仕事と育児に頑張るママならではの憂鬱に迫る本連載。本記事では、前職で育休からの復帰後に「底なしの憂鬱」にはまりメンタルが低下するも、そこからはい上がり、転職や働き方チェンジに成功した経験を持つママにご登場いただきます。人材育成会社NOKIOO(ノキオ)の取締役、小田木朝子(ともこ)さんです。
前職ではウェブマーケティングの法人営業を担当していた小田木さん。頑張れば頑張るほど手応えがあり、成長実感が持てる営業の仕事にやりがいを感じていたといいます。14年前に長女を出産した際も、出産前と同じように働こうと仕事への意欲は高かったそう。ただ復帰してすぐに、それは無理だと痛感します。2つの打撃を受けたのが原因でした。
1つ目の打撃は時間制約です。まだ「働き方改革」という言葉も知られていなかった14年前は、小田木さんの職場も残業して成果を出すのが当たり前とされていました。特に営業は、売れれば売れるほど、さらに仕事が発生して忙しくなる職種です。しかし、保育園のお迎えのために定時退社しなければならない小田木さんには残業という手段がありません。
「今までと同じ方法で成果を上げようとしても圧倒的に時間が足りず、持てる時間で何とかしようとすれば、手応えがない。時間がないことの影響を痛切に感じました」
もう1つはキャリア迷子になったことでした。
所属部署で育休から復帰する女性は小田木さんが1人目。周囲には働くママのロールモデルがおらず、職場も小田木さん自身も、出産というライフイベントによって起こるキャリアの変化に対する備えがありませんでした。
「出産前までの私は長期的なキャリア展望を考えたことがありませんでした。目の前の仕事をやり切ることが、やりがいと成長実感の源泉だったからです。そのため、復帰後、会社の役に立てている実感がなくなったことは、大きな打撃となりました。『何のために仕事をしているのだろう』と、キャリア迷子になってしまったのです」
成果を出そうと思っているのに時間が足りない。やり切れた感覚も持てない……。どん底の気分になった結果、小田木さんは「同僚は今まで通り残業ができてずるい。私だけがハンディを背負っている」と周りに嫉妬するまでにメンタルが悪化してしまいます。
●「正しい頑張り方」を知らないと、仕事を続けられなくなることも。その違いは「知っているか、知らないか」だけ
●「助けてもらう」ことに負い目を持つママへのアドバイス
