注目の教育法から学ぶ 甘やかしor子を尊重 線引きどこ?
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1子育てに自信を!迷いがち場面に見る、子を尊重する方法
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2視点を変えれば、子を見守るのに「我慢」は必要ない
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3ほめ方叱り方 「対話と傾聴」でフラットな親子関係に←今回はココ
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4子の質問には「回答」でなく「応答」 学ぶ意欲高める
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5自由な学校の「子を尊重する教育」で実感したこと
モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア・アプローチの研究者である島村華子さんは、安易な「ほめて伸ばす」は要注意と言います。ほめ方によっては子どもに不安やプレッシャーを与えたり、モチベーションが下がる原因になったりと、悪影響を及ぼすからです。
「子どもを一人の人間として尊重する」姿勢で、どのように「ほめる」「叱る」をすればよいのでしょうか。
大人と子どもは対等な関係。ほめる、叱るも「対話」が大事
モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア・アプローチは特徴は異なるものの、子どもに対して絶対的な尊重を基盤にしているところは共通だといいます。
「どちらの教育法も、子どもは生まれながらに能力を持ち合わせたパワフルな学習者であり、権利を持った一市民として見なします。大人は子どもの監視役ではなく、子どもとの対話を通して意思を吸い上げて自主性を伸ばし、探究心を満たせるような環境をつくるサポート役。そうした教育法で育った子どもは、健全な自己肯定感とオープンマインドを備え、社会や環境への意識が高い人間に成長するといわれています」(島村さん)
子どもが何かを上手にできたときに 「Aちゃん、天才!」「さすが、B君だね!」というほめ方をすることは、よくあるかもしれません。実はこうした「人中心」のほめ方は逆効果であるばかりか、さまざまな弊害があるといいます。
「これは“子どもをほめる”というご褒美を一方的に親が与えているにすぎず、しかも、おだてることで“次回も頑張ってもらえるのでは”と子どもをコントロールしようとしているといえます。ほめるときのご褒美(物をあげる、むやみにほめる)、叱るときの罰(物を取り上げる、たたくなど)の弊害は、どちらも与え続けないといけなくなること、子どもが自己中心的になってしまうことです」
次ページから、モンテッソーリ教育やレッジョ・エミリア・アプローチの「対話と傾聴」の姿勢に基づき、子どもの主体性を伸ばすほめ方、叱り方について、島村さんの著書『自分でできる子に育つ ほめ方叱り方』も参照しながら解説していきます。

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