世界標準の共学校続々、「学校選び」はどう変わる?
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1グローバル教育重視の新興校が続々 学校選びに変化←今回はココ
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2広尾学園小石川校長 本気で世界を目指せる学校をつくる
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3三田国際は教科書を開かない? 卒業生が語る学校ライフ
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4大学受験や大学生活でも生きた、三田国際で得たスキルは
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5帰国生受け入れ=国際教育? 学校選びの落とし穴
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6学費、学習サポート、進学支援…新興校の実際は?
親の世代と全く違った学校選び
グローバル化の進展や社会構造の変化など、私たちを取り巻く環境は激変しています。予測が難しいこれからの未来を見据えて学習指導要領が全面的に改訂され、授業のオンライン化も急速に加速するなど、教育現場も著しく変わってきています。
そんな大きな変化を前に、親の世代とは全く違った、従来と異なる目線で学校を選ぶ必要があるのではと考えている人は多いのではないでしょうか。わが子をどのような教育環境で学ばせたいのか、そのためにどんな学校に通わせるべきかと悩んでいる人も少なくないでしょう。
「これまでなかなか変化してこなかった東大をトップとした偏差値ヒエラルキーの教育構造や教育観に、今やっと風穴が開きつつある」と話すのは、中学受験塾スタジオキャンパスを運営する矢野耕平さんです。
「最近、いろんな学校の先生から、大学をブランド、つまり大学の名前だけで選ぶ生徒が減ってきたという話を聞きます。『こういう学問をやりたいから、この大学の〇〇教授に指導を受けたい』といったレベルで学校選択をする生徒がずいぶん増えてきている。それは喜ばしいことだと思います」(矢野さん)
そんな大学の選び方に対する意識の変化は、海外の大学に関心を持つ親子が増えるなど“出口の多様化”を生み、その影響は中学や高校の選択にも及んでいるようです。
これまで首都圏において中学受験といえば、「開成・麻布・武蔵」「桜蔭・女子学院・雙葉」のいわゆる御三家を筆頭に、男女別学の伝統校に人気が集まる傾向にありました。ところが近年は、「グローバル教育」をキーワードに、インターナショナルコースを設置する広尾学園や三田国際、国際バカロレア校の開智日本橋学園といった新興の中高一貫校にも、熱い視線が注がれています。
受験事情に詳しい森上教育研究所の森上展安さんは、「御三家の学校と広尾学園、両校に合格して、広尾学園に進学を決めたという親御さんの声を最近聞くようになった」と話します。実際に、広尾学園の教育連携校として、2021年開校当初から志願者を多く集めて話題になった広尾学園小石川の22年度中学入試では、2月1日から6回実施される一般入試(募集人員計90名)の実質倍率が3.1~21.1倍と、その多くが初年度を上回りました。
さらに23年4月開校予定の芝国際中学は、同じ建物に「ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス」というインターナショナルスクールが同居するとあって、説明会の申し込みがすぐに埋まるほど注目を集めています。
これらの学校が教育方針として掲げる「グローバル教育」とはどのようなものなのでしょうか。その実態とともに、人気の背景などについて、話を聞いていきます。
・海外大進学サポートの実態は
・伝統校と新興校の決定的な違い
・受験のプロたちが伝授「親子で考えたい学校選びのポイント」
