子育て・教育方針、家事分担、人生観 どう解消? パートナーへの違和感
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1結婚20年で離婚目前 今ごろ明かされた共働き夫の本心は
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2違和感の原因は? 心理学から探る夫婦の修復策
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3中学受験めぐる夫婦の価値観の隔たり どう解消?
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4夫婦の話し合いは「勝ち負け」持ち込むからこじれる←今回はココ
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5夫婦の違和感解消 専門家を頼る意外なメリットとは
パートナーに違和感を抱いたとき、まずは話し合いで解決を試みる人が多いのではないでしょうか。けれども、お互い感情的になってしまったり、相手がまともに向き合ってくれなかったりするなど、話し合いで解決できない場合はどうすればいいのでしょう。カップルカウンセラーとして多くの夫婦の悩みに向き合ってきた松本健輔さんに、夫婦における効果的な話し合いの方法や、話し合いで解決しない場合の手立てについて聞きました。
「価値観」は単なる言い訳の材料である場合も
家事や子育ての分担、お金の使い方、休日の過ごし方……。共働きで子育てをしていると、夫婦の意見がぶつかることは少なくありません。建設的に話し合いができればいいのですが、お互いに大事にしてきた習慣や理想像が食い違うと、妥協点が見つからず「この人とは価値観が違う」と無力感を抱いてしまうかもしれません。
けれども松本さんは、「そもそも価値観の違いだけで、夫婦関係が破綻するようことは少ない」と言います。
「例えば家事育児をめぐって、『子どもが小さいうちは、母親がそばにいるべきだ』や『家事は女性が担うべきだ。わが家はそうだったし、俺もそういう価値観だ』などと、妻が夫に言われたとします。このとき、実は夫は家事や育児が苦手で、自分が上手くできない言い訳として価値観を持ち出しているだけなのかもしれません。あるいはもしかしたら、あまり深く考えず発言しただけかもしれません。けれどもそれを真に受けて『あなたの価値観は古い』などと夫を否定してしまうと、夫はどんどん意固地になってしまいます。最初は軽い言い訳のつもりだったことが、だんだんと本当に自分の信念のように感じられ、引っ込みがつかなくなるのです」
実際、「価値観が合わない」と夫婦カウンセリングに来る人は少なくないそうです。けれどもそれぞれ「絶対に譲れない」と言っていた価値観が、カウンセリングの場で落ち着いて話してみると、実はお互い全然こだわっていなかった、などということも多いそうです。
「『自分の価値観のほうが正しい』と、価値観の違いに『勝ち負け』を持ち込むからこじれてしまうのです。そうではなく、『価値観の違いは、ちょっとした習慣の違い』くらいに捉えるといいでしょう。朝食にパンを食べるかお米を食べるかで、どちらが正しいなんてないですよね。価値観も同じで、お互いの正しさを主張し合うのではなく、違いを認め合えるといいと思います」
その上で、パートナーに何かをやってほしい、足並みをそろえたいと考えるのであれば、「『私はあなたに◯◯してほしい』と、自分を主語にして伝えることが大切です」と松本さん。
このとき、「私の家はこうだった」「友人の◯◯さんはこうしている」など、他を引き合いに出して説得しようとするのはNGとのこと。その理由は、意図せずとも相手に、ある「強烈なマイナスメッセージ」として伝わってしまうからだそう。
パートナーと対立しがちなシーンごとの話し合いのテクニックを、話し合いができない状況になってしまったときの打開策とともに、詳しく聞いていきます。
・「もっと家事をしてほしい」「休日はみんなででかけたい」……相手に変わってほしいときはどうすればいい?
・スムーズな話し合いのためには、相手を「◯◯◯◯◯」だと思って話す
・話し合いが「問題解決の手段」として機能しない場合も多い。代替策は?
