子どもの「自走力」が育つ家庭の習慣
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1本当に必要な自走力と親が求める自走力の違いは←今回はココ
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2親野智可等 親がやってあげても自走力は育つ
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3ビリギャル小林さやか 子の自走に唯一必要なものは
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4自走する子どもの親は、勉強にどっぷり関与しない
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5低学年のおうちモンテッソーリで自分から宿題をする子に
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6当事者意識を育むコンサルママのオーナーシップ子育て
これからの時代に不可欠な「自走力」には2種類
「自分で考えてやることを決めて主体的に行動したり、嫌なことでも自分を納得させ物事を進めていったりする自走力を育てるにはどうしたらよいのでしょうか」。公立小学校で23年間教えた経験のある親野智可等さんにこう聞いたところ、意外な答えが返ってきました。
「その2つはかなり違う力です。区別して考える必要があります」
1 自分で考えてやることを決めて主体的に行動できる力
これからの時代に一生必要になる、真の自走力
2 嫌なことでも自分を納得させ、物事を進めていける力
暮らしをスムーズに回すために必要な自走力
「どちらも『自走力』と思うかもしれませんが、本当の意味での自走力は1番目です。こちらは親御さんを含めこれからの時代を生きていくのに必要になる力。仕事でもプライベートでも人生を豊かなものにするために、ぜひ育ててあげてほしいと思います。
一方、2番目は、親がやらせたいことを進んで行う子どものことを指していると思いませんか。朝は自分で起きる、宿題をどんどんやる、自分で片付けをする……。こういった力がある子は、育てやすいかもしれません。しかしそれをあまり優先しないほうがいいというのが私の考えです。求めすぎると、わが子を育てにくいと感じて親子関係も悪くなるからです」
とはいえ、仕事に育児にと忙しい働く親としては、子どもに2番目の自走力を求めてしまうのも現実です。子どもができないことを親がしてあげることで、過保護になり、子どもがますます自立しなくなるのではという心配もあります。
多くの親子の悩みに接している親野さんは「働く親の皆さんが『子どもが自分でやってくれたら楽なのに』と2番目の自走力を求める気持ちも分かります」と話します。一方で、子どもができないことをしてあげることが子どもの自立を妨げることはなく、むしろ、子どもの自立度を高めたという研究もあると話します。これについては、後編で詳しく解説します。まずは、区別して考えるべきだという2種類の「自走力」それぞれの特徴と育み方を聞いていきましょう。
1 「自分で考えてやることを決めて主体的に行動できる力」を育てるポイント
・○○○○をさせたり、必要な物、関係する○や○○を与えたりして、子どもが熱中することを全面的に応援する
2 「嫌なことでも自分を納得させ、物事を進めていける力」を育てるポイント
・子ども自身が自分から動くように「合理的工夫」をする
・○○○○を下げて、取りかかりやすくする
・○○○○○○を見える化する←こちらは後編で解説
