ワーママ転職2022 新・成功戦略
フレックスやリモートワーク運用 選択肢が広がった
新型コロナウイルスの流行により、ワーママの働く状況も変化しています。「今の会社で長く働くことに不安を感じている」「緊急事態宣言下でも出社を求める会社に嫌気が差した」と転職を考える人もいれば、「コロナ下で先行きが不透明な時代に動いていいものだろうか」と転職をちゅうちょする人もいるでしょう。
各種データによると、2020年4月の緊急事態宣言時には企業の採用活動が一時的にストップしたものの、20年夏頃からコロナの影響の少ない業界で求人が再開。21年現在の転職市場の求人状況は、ほぼ例年通りまで戻っていると見られています。
では、ワーママに特化した場合、転職市場は今どのような状態なのでしょうか。
キャリア志向を持つプロフェッショナルなワーキングママに特化した転職サービス「ママリブラ」を運営するmogの金子麻由子さんは「コロナ下でワーママ転職の選択肢が広がり、転職に向けて動いている人が増えていると感じます。コロナ下で、転職希望で登録をする方が増えています」と話します。
「2021年には、多くの企業がリモートワークを実際に運用に乗せ、多彩な働き方を受け入れるようになりました。出社することが基本だった時代には時短でしか働けなかったワーママも、リモートとフレックスタイム制を組み合わせればフルタイム勤務や残業も可能になったため、応募できる求人の幅が広がりました。それを受けて、実際に動いている人が増えている印象です」(金子さん)
コロナ下でも積極的に採用をしている業界・職種は何でしょうか。金子さんは「コロナに影響を受けたサービス業、飲食業は採用を控えていますが、リモートワークができる業界・職種は動きがあります。主にIT業界で、職種としてはマーケティング、カスタマーサービス、Web制作などが挙げられます」
地方在住ながら、在宅勤務制度を利用して首都圏の会社で働くという選択肢も生まれました。「ママリブラ」で、多くのワーキングママの転職マッチングを支援するmogの鈴木伸太朗さんは「夫の転勤で地方に行くことになった方が転職活動を行い、地方に在住しながら都内のスタートアップ企業で採用と広報の仕事をリモートで行っています。転職市場においても、時間と場所にとらわれない働き方を求めることが一般的になってきたと感じます」と話します。
コロナ下でも中途採用を継続している企業は、もともとリモートワークなど柔軟な働き方を取り入れていたという傾向があります。企業に人材紹介や転職紹介を行うKEY ROLE代表取締役の兼吉ともこさんも、企業が柔軟な働き方を進めていることが、ワーママ転職の追い風になっていると話します。
「午前7時~午後11時の間のフレックスタイム制(コアタイムあり)や出社と在宅勤務の選択制、週単位の変形労働時間制を導入する企業が増えました。企業サイドも、働き方の選択肢を増やしていると感じます」(兼吉さん)
