公立中高一貫校 最新データを読み解く 学びの特徴・進学実績・私立との併願事情
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1公立中高一貫校受検 コロナ下の変化や私立併願状況は
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2公立中高一貫校 気になる学びの内容や大学合格実績
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33校の在校生親が語る 公立中高一貫校のリアル(前編)←今回はココ
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4在校生親 「公立一貫校ならどこでもいい」はNG
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5公立中高一貫校 育てたい生徒像と適性検査の関係性
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6立川国際に小学校開校!12年間一貫教育の狙いは
特集「公立中高一貫校 最新データを読み解く」の3本目は、首都圏の別々の公立中高一貫校に通う兄弟の母親であるAさんと、娘が東京都立桜修館中等教育に通う母親のBさんによる「在校生親」座談会。公になっている情報からは分からない、公立中高一貫校の「リアル」をお届けします。前編では、志望校を決めた経緯や、合格に向けて受検学習をどう進めたのかについて聞きました。
―― お子さんたちがそれぞれ、公立中高一貫校を目指した背景を教えてください。
Aさん 受検の経緯はそれぞれ違っています。2人とも、地元の公立小学校を卒業していますが、兄のほうは、小学校6年間ずっと、ほぼ学級崩壊を起こしているようなクラスで過ごし、「なんで僕はこんな授業を受けなければいけないのだろう」と悩んでいたんです。勉強が好きな子なので余計につらかったようで……。そのまま地域の公立中学校に通ったら同じような状態となる可能性も高いと考えて、「自分で道を切り開く中学受験を考えてみようか」と息子と話し合いました。
私自身が国立大学の付属中高に通った経験があり、入学試験で選抜されてはいるけど多様な子どもたちがいるという、「公立ならでは」の環境が非常に居心地が良かったんです。公立中高一貫校なら似たような環境かもしれないと思い、検討し始めました。
弟が受検したのは、また別の理由です。弟も同じ公立小学校に通っていましたが、クラスに恵まれ、伸び伸び過ごすことができていました。水泳や絵画、演劇などの習い事もしていましたし、兄とは違って、発達段階的には「中学に入ってから伸びるタイプ」だといわれていたので、そもそも中学受験をするかどうか、迷っていたんです。結果的には、兄が公立中高一貫校に入学したことや、仲の良い友達が公立中高一貫校を目指していることを知り、受検することにしました。
Bさん わが家の場合は、夫が大学時代に馬術部だった関係で、娘も馬に興味を持ち、「私立の馬術部がある学校にいきたい」と言い出したのが、そもそもの中学受験を考え始めたきっかけでした。
小学校2年生の夏頃から、中学受験の勉強をスタートし、私立・公立問わず、色々な中学校を見学に行きました。その中で、4年生の時に行った桜修館の文化祭の雰囲気がすごく良く、親子共々気に入ったんです。第一志望の候補にしていた私立の中学生は大人びて見えたのですが、桜修館の生徒たちは等身大で活発な雰囲気がありました。直観ですが、それが娘に合うように思ったんです。ただ、志望校の最終的な絞り込みは慎重に行いました。5~6年生でも、桜修館を含めた、いくつかの気になる中学校の文化祭に通い、志望を固めていきました。
Aさん 私は兄のときも弟のときも文化祭には行きませんでした。Bさんも多忙な共働きママなのに、すごいですね! やはり実際に見に行ったほうが学校のリアルな雰囲気が分かりますよね。

公立中高一貫校に向けた学習法は?
―― 受検のための勉強は、どのように進めたのでしょうか。
Aさん きょうだい2人とも、論理的思考力を伸ばすという特徴のある学習塾に3年生の冬から通いました。SAPIXなどの中学受験専門塾の勉強は耐えられないのではないかと思い、偶然知り合いのお子さんが楽しく学んでいることを知って、その塾に通うことに決めました。