「今夜家族で何を食べるか」も「外交」も交渉
松浦さんは交渉時には以下2つの心がまえが必要だと言います。
交渉時の心がまえ
[1]準備をする:合意した場合、合意しなかった場合に自分にどういうことが起きるのかを意識し、腹案も用意したうえでシナリオを準備する
[2]取引を意識する:相手もシナリオを持っている状態なので、自分が何が欲しいのか、相手が何を欲しいのかを理解し、「向こうが欲しいものを差し出す代わりにこちらが欲しいものを得る」という取引を常に意識する
また、交渉というと「国家間の外交交渉」「労使交渉」など規模の大きなものを想像するかもしれませんが、実際には「誰かとの間で取り決めを交わす、約束を交わす」というものが交渉事。至るところで交渉は行われています。
松浦さんは、「ささいなことで言うと、今夜家族で何を食べるかということまで含まれます」と話します。
人生は毎日の選択の積み重ねの上に成り立っていて、そこで「交渉するか」「交渉しないか」を選ぶのもまた私たち。さあ、あなたは交渉する人生と交渉しない人生、どちらを選びますか?
取材・文/日経DUAL編集部 山田真弓 イメージ画像/PIXTA
松浦正浩
明治大学専門職大学院ガバナンス研究科専任教授
明治大学専門職大学院ガバナンス研究科専任教授

谷原誠
弁護士法人みらい総合法律事務所 代表者社員弁護士、税理士
弁護士法人みらい総合法律事務所 代表者社員弁護士、税理士
