「ほんっとやってらんない」。そんな出来事に遭遇したとき、どう対応するかは人によって大きく異なります。ビジネスの場であっても夫婦間であっても、意見の相違を我慢してやり過ごすのか、もしくは理解し合ったり周りを味方につけたりするために話し合うのか。うまくいくかどうかは別として、交渉する人生、交渉しない人生のどちらを選ぶのかは自分次第。さて、得をするのはどっちの人生? 自分の人生の主導権を握る、交渉のノウハウを特集します!
職場で・夫婦間で・社会で 磨け!共働きの交渉力
職場で・夫婦間で・社会で 磨け!共働きの交渉力
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1交渉する人生、しない人生、どちらを選ぶ?
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2不満があっても交渉はしない その心理に潜むのは?
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3夫婦間の家事・育児 交渉に「べき論」用いない←今回はココ
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4高圧的、黙り込む…苦手なタイプとの交渉術
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5否定しない、遮らない家族会議で子の交渉力が伸びる
共働き夫婦にとって、家庭における家事や育児をどうシェアするかは、今後のキャリアにも響く重要な問題。今の状態は夫婦が互いに納得できているものでしょうか? もしどちらかが問題と感じているなら、解消するためには「交渉」が必要です。
今回は「夫婦間の交渉」について、具体的な交渉の例を挙げながら見ていきます。明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授の松浦正浩さんとみらい総合法律事務所の弁護士の谷原誠さんに、「夫婦ともに納得できる交渉術」を聞きました。
まずは、週5日保育園のお迎えと夜間の家事・育児を担う妻が、週2日、それを夫に代わってほしいと思っているケースです。朝の家事・育児シェアはできているものの夕方以降はワンオペ状態で、それを解消したい、でも夫は仕事を理由になかなか変えてくれない……という場合、どう交渉すればいいでしょうか。
松浦さんはまず、「夫婦が納得できる交渉を行うための3つのステップ」の第1段階として、「交渉する『人物』と、交渉する『問題』を切り離しましょう」と言います。どういう意味でしょうか。