存在感と発信力が必須スキルに 「意見を言える子」の育て方
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1AI時代に「自分の意見を言える」はなぜ必要?
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2低学年までに知っておきたい 話すことが楽しくなるコツ
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3引っ込み思案な保育園児 意見言う自信どうつける?←今回はココ
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4子どもの語彙力をアップするため家庭でできる3つの方法
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5「反対意見言われる耐性」身に付く、親子の会話法
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6親子で磨こう! 「オンラインで意見を伝える」スキル
子どもが自分の意見を言えるのは何歳から?
今回の記事では、特集2本目「低学年までに知っておきたい 話すことが楽しくなるコツ」で紹介した3つの原因のうち、原因1の「心理的な問題」(自分の考えや話したいことはあるけれども、それを言葉にして発信しようという気持ちが起こらない。恥ずかしい、自信が持てない、不安を抱えている)について、未就学児向けのアドバイスを紹介します。
気の強い友達にいつも押し切られてしまう、家ではにぎやかなのに外に出ると引っ込み思案になる……。「この子は自信がないのだろうか」「小学校へ上がったら、友達関係で苦労するのでは」「将来の成績にも影響する?」などと心配になるものです。
そもそも子どもが自分の「意見」を持ち、人に伝えられるようになるのは何歳くらいからなのでしょうか。
チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さんは、「子どもの自我が芽生えるのは2歳頃から。そして言葉を習得しながら、3歳くらいから社会性が発達します。友達とのコミュニケーションが広がる中で交渉することを学び、『僕は、私は』と主張したり意見が言えたりするようになるのは5歳くらいからでしょう」と説明します。
「幼児期は月齢による差が大きく、4月生まれと3月生まれの子とでは言語能力も異なりますし、兄・姉がいる子はきょうだい関係の中で社会性を学ぶ経験を豊富にしています。個人によって差があるのは当然。他の子と比べて焦る必要はありません」
とはいえ、周囲に口の達者な子や主張のはっきりした子がいると、つい、心配になってしまうもの。そんな親に向けて山本さんは「引っ込み思案な子は意見を言っていないように見えがちですが、実はそれ自体が親の思い込みという可能性がある」と指摘します。
法政大学文学部心理学科教授で発達心理学が専門の渡辺弥生さんも、「子どもは自分の考えをたくさん親に伝えている」と言います。一体どういうことでしょうか。
次のページから、おもちゃの取り合いや、保育園でのあいさつなど、場面別の解決法も含めて、未就学児が自信を持って自分の考えを言えるようになるための親の関わり方について、紹介していきます。
