実は子どもにテレビを効果的に見せるための研究も行われていて、そのなかで「対話的共有視聴」が注目されています。
これは、子どもとテレビを一緒に見てそれを会話の道具にするというものです。対話的共有視聴は絵本と同様に、幼児の語彙量を増やす効果があります。
――どのように会話をすればよいのですか?
菅原 例えばテレビの登場人物を指して、子どもに「●●ちゃんどうしてた?」など対話的な質問をするようにします。そうするとテレビへの集中力が上がり、語彙や情報をインプットしやすくなります。
絵本がなぜ子どもに対する影響力が強いのかというと「集中して読む」からなんです。それと同じ形で、テレビにも接すればよいのです。
――私は忙しいとき、子どもを1人でテレビを見せてしまうこともあるのですが……。
菅原 もしテレビ番組から何かを学んでほしいと思うなら、一緒に見て注意を集中させる対話的共有視聴で、子どもにガイドをしてあげることが大切です。
ただ、親は子どもにずっと付きっきりでテレビを視聴することもできませんよね。
子どもをほったらかしというのはもちろん良くないことですが、一日の中でちゃんと子どもとコミュニケーションを取っていれば、忙しい時間にテレビに子守りをさせるのは、決して悪いことではないと思います。私もテレビ番組を録画しておいて、ここぞというときに自分の子どもに見せていました。
(スマホ利用が幼児に与える影響を探る後編記事へ続く)
(ライター/小口梨乃、撮影/近森千展)