資産形成はスタートが遅れた分だけ傾斜がキツくなる
では、どんな方法でお金を貯めればこの目標を達成できるのか。特にこれから子育てにさしかかる家庭では、毎月のやりくりからまとまった資金をひねり出すのは容易ではない。そこでお薦めなのが、月々少しずつでも定期的にお金を積み立てていく方法。給料口座などから自動的にお金を積み立てていく仕組み作りをすれば、日々の無駄遣いを避けながら「貯める家計体質」を構築できるはずだ。目標に到達するためどれだけのペースで貯めればよいかは、下記に示した「60歳までに3000万円貯めるために月々必要な積み立て額」を参考にしてみよう。
例えば積み立てを行い、銀行預金よりも少し利益が期待できる債券や株式への投資を加えた1%の運用で増やした場合はどうか。25歳から始めれば、60歳までには運用期間は35年。毎月約6万円の積み立てで、3000万円の資産形成が達成できる。これを夫婦で分担するなら1人当たりの積み立て額は約3万円だ。
ところが、開始時期が30歳からにずれこむと1人当たりの負担は5000円以上もアップし約3万6000円に。10年遅れの35歳からでは4万4000円、50歳からだと10万円以上の負担に跳ね上がる。この数字を見るだけでも、少しでも早くスタートしたほうが、後で息切れせずに楽に続けられることが分かる。
特に30代から40代に向かう時期は、それまで共働きをしていた世帯でも、妻が育児休業や子育てに追われ収入がダウンする可能性も視野に入れる必要がある。さらにこの後、教育費が大きくのしかかる時期が続くとなれば、月々の負担はできるだけ軽くしたいところ。そのためには、やはりスタートダッシュは早いに越したことはない。早いうちから頑張っておけば、妻が収入減になる時期に積み立て額を少し減らして厳しい時期を乗り切る作戦も可能だ。