毎日3食、食べられるだけでどれだけ幸せなことか、パパやママが作ってくれるごはんがどんなにおいしいか、子どもは普段、意識しません。大人だって普段、忘れてしまうのですから。
でも、そのままではもったいない。まずは自分が率先して、「今日のごはんもおいしいね」というようにしましょう。毎日おいしいからといって、それを「当たり前」だと思うのではなく、毎回「有り難い」と感じながら食べる習慣を子どもに見せてあげましょう。
同様に、「今日もふかふかのお布団で眠れて気持ちいいね」とか「暖かいコートが着られてうれしいね」などと言ってもいいでしょう。
そうすれば、子どもの心に、日々の衣食住に対する感謝の気持ちが育ちます。
衣食住だけではなく、身の回りのあらゆるものに感謝の気持ちを向けたいですよね。たとえば、空が青く澄み渡っているだけで、すがすがしい気持ちになれますよね。雨の日には雨の日の良さがあります。風が頬をなでるだけで気分が爽やかになります。小鳥のさえずりを聞いていると、こちらまで楽しくなります。
大人の世界で忙しい毎日を過ごしていると見過ごしてしまいがちな些細な幸せでも、子どもと一緒にいるときくらい、しっかりキャッチしてみせましょう。そしてそれを言葉にして子どもに伝えましょう。そうすることが当たり前であると思えるように。
そうすれば子どもたちは、いつでもどこでもなんにでも、感謝の気持ちを忘れない、身近な幸せを十分に味わい尽くせる人に育つはずです。
「しあわせ力」さえ身につけば、不幸な人生などやってくるはずもありません。
そのためにはまず親が、ありのままの子どもの姿を受け入れ、「世界一の子どもに恵まれた」幸せに心から感謝することも大事です。そうしていれば、子どもにも「しあわせ力」が伝染します。そうやって大事にされた子どもは、自信を身につけ、どんどん幸せを感じやすい体質に育っていくでしょう。
子育てにおいて、それ以上のことを望む必要がありますか?
私にはそれ以上のこと、思いつかないのです。
※3回にわたって、子どもの心に響くマジックワードの例を挙げました。もっと知りたいという人は、ぜひ拙著『忙しいビジネスマンのための3分間育児』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)をお読みください。