老後の資産は、貯蓄+厚生年金額で計算

 次に、老後までに準備しておきたい貯蓄額について尋ねたところ、以下のグラフのような結果が出ました。全体的に最も多い貯蓄額は、1000万円以上~2000万円未満でした。

 一方、高額貯蓄額の内訳に目を向けると、「1億円以上貯めたい」と考えているのは男性のほうが多く、なかでもお互いが扶養に入らずに仕事している共働き世帯の男性は、約13%が1億円を目標に掲げています。また、お互いが扶養に入らずに仕事している共働き世帯の女性のうち、10%以上が5000万円以上~6000万円未満を目標としています。他のグループの女性は5%台に留まっています。

 ちなみに、老後に必要な貯蓄額はいくらなのでしょうか。

老後に必要な貯蓄額は2000万円。ただしDUAL世帯は……

 花輪さんによれば、「標準家計(夫婦二人暮らしで、妻が扶養に入って働くか、片方だけが働いている平均的な支出額の夫婦)の場合、老後に必要な貯蓄額は2000万円」だそうです。

 「例えば、夫だけが働いている同い年の夫婦の場合、夫が60歳で定年退職すると、夫婦2人の生活が約24年、妻1人の生活が約5年続くとして計算します。すると定年後の生活費の総額は約8710万円(1か月の支出を夫婦二人で約27万円、妻一人で12万5000円で計算 )。これに、介護や家のリフォームなどの予備費を加算すると、1億円以上が必要になります」

「しかし65歳から月額23万940円の年金がもらえます(※2013年4月〜9月の標準的な年金額)。 その年金の金額に平均的な退職金を加算すると、総額が約8400万円になります。これを生活費の総額から引くと、約1600万円になるという計算です。少し余裕をみて2000万円あれば、安心して過ごせるでしょう」

 ただし、どちらも厚生年金を受け取るDUAL世帯の場合、少し事情が変わります。

「例えば、夫も妻も平均的収入(平均標準報酬36万円)で40年間就業した場合、もらえる年金は月に夫婦あわせて33万798円程度になります(※2013年4月〜9月の標準的な年金額)。 つまり、毎月受け取る年金額が約10万円も高くなるのですから、標準家計より少ない貯蓄額でも大丈夫ということになります」と花輪さんは解説します。

(文/オフィスマイカ 井上真花)