習い事 続ける、やめるの判断はどうする?
子どもの「やめたい」は簡単に変わる 時間を開けて何度か確認
長く習っていても身に付かない、本人にやる気がない……などという場合、子どものお稽古事を続けさせるかやめさせるかは、どう考えればいいのだろうか。神戸常盤大学短期大学部准教授の小﨑恭弘さん、教育ジャーナリストの杉山由美子さんに教えてもらいました。

Q1 子どもが「やめたい」と言い出した
4年間通っているお稽古事を「やめたい」と子どもが言い出した。突然、嫌いになったの?
A1 「本当にやめたいの?」と時間を空けて何度か確認を
子どもの「やめたい」は案外、簡単に変わるものです。水泳を習っている僕の息子などは、「やめたい」と言うので理由を聞くと、「冬になって水が冷たいから」と拍子抜けしてしまう答えでした。「わかった。でも、せっかくだから、次の級まで進もう」と言って2カ月続けさせたところ、「続ける」と気持ちが変わっていました。
「やめたい」と言い出したときは、「本当にやめたいの? どうして?」と何度も聞いてみることをお勧めします。お稽古事は続ける中で、面白さや楽しさ、やれば伸びるんだという達成感を味わっていけるもの。それらを味わう前にやめるのはもったいないなと思うので、僕ならあまり簡単にはやめさせないと思いますね。(小﨑さん)
Q2 塾通いが始まったらやめさせるべき?
小学3年生になる春から、塾に週2回通う予定。今、お稽古事を3つやっているのだが、やめさせるべき?
A2 お稽古事の数を絞るなど、続ける方法を考えてみて
まずは子どもと「春から塾が週2回になるけれど、お稽古事はどうする?」と話し合ってみてください。もし子どもが「全部続ける」と言った場合でも、親から見て負荷が大きいと感じるなら、「塾が始まるから、お稽古事を1つに絞ろう」と提案して、何を続けたいかを選ばせてみてください。
子どものお稽古事の能力が一番伸びる時期は10歳から14、15歳にかけてといわれています。中学受験の勉強が本格化する小学5年生で、多くの親がお稽古事をすべてやめさせていますが、少々もったいないですね。息抜き程度に続けさせる、中学入学後に再び習わせるなど、そこで中断しない方法も考えてみてはいかがでしょう。 (杉山さん)
Q3 あまり力が伸びないようだ
2年もやっているのに、うちの子は上達しない。ほかの子の伸びに比べると、とにかく遅い。向いていないの?
A3 ほかの子と比べるのはNG子ども自身の成長に注目を
力が伸びない=向いていないというわけではありません。下手に見えたとしても、その子が頑張っているのなら、その思いを大事にしてあげてください。お稽古事を一生懸命続けることで、育つことはたくさんあります。コーチの話を集中して聞く、みんなで一丸となって頑張るなどを子どもは学んでいるかもしれません。親は、ほかの子と比べて「伸びない」と思いがちですが、大切なのは、「前の自分と比べて成長したか」なのです。 (小﨑さん)