夫婦、親子が同時に料理するときも快適なセパレートキッチン

 一行は続いてキッチンへ。一番のこだわりポイントはレイアウトだと河崎さんが解説します。

 「シンクとコンロが背中合わせになったセパレート型のレイアウトになっていて、それぞれに作業台があります。共働きは夫婦が同時でキッチンに立つことが多いもの。特にコロナ下では料理を作る機会も増えたのではないでしょうか。セパレートキッチンだとお互いが自分のペースで作業を進められるため、快適さがアップします。子どももお手伝いがしやすいですよ」

 次に城さんたちが注目したのはダイニング横にある黒板とカウンターデスクです。エミリちゃんは「楽しそう!」とさっそく椅子に座ります。「リビング学習に良さそう」と城さんも興味津々です。河崎さんは「ここは家族のためのデスクを設置したファミリーステーションです」と説明。「子どもが小さいうちは親の近くにいるほうが安心して勉強に取り組めるので、リビング学習の場にはぴったりですね」

 城さん夫妻が「なるほど」と感心したのが、壁一面の大きな黒板と高さの違うデスクの目的でした。

 「黒板やホワイトボードにした壁を私たちは『ドラフト(描写)ウォール』と呼んでいるのですが、子どもの学びの場にはぜひドラフトウオォールをおすすめします。子どもが自分で書いて(描いて)親とやり取りすることで、子どもの伝える力が育まれるからです。例えば子どもと『友達の家に遊びに行くときはここに書いてね。そのとき簡単でいいから地図も書いてもらえる?』と約束しておくと、子どもは一生懸命、文字や地図を書くでしょう。誰かに伝えようとする経験は、将来いろいろな人と働く中で生きる力につながっていきます」

 高さの違うデスクにも意味があります。向かって左側は椅子に座ったときにちょうどよいのですが、右側はいわゆるバーカウンターの高さ。立たないと届きません。「計算ドリルなど短時間の学習には、立った姿勢の方が集中しやすいといわれているのです。子どもは椅子に座るだけでなく、寝っ転がったり、階段に腰掛けたりと、内容に合わせて集中できる場所を見つけるものです。その1つとして、高いカウンターを用意してあげるのはおすすめです。親御さんも保育園の連絡帳など、ちょっとした書き物の時に便利ですよ」