子どもを産む前から、「育児と仕事の両立は難しい」と思ってしまうのはなぜ?
この数十年で、働く女性は確かに増えました。今では雇用されて働く人の約4割が女性です。
けれども、働いている若い女性の実態を見ると、結婚を機に退職する女性は減っているのですが、実は、第1子出産を機に退職する女性は、今でも約6割に上っています(図1参照)。多くの場合、「子育て、特に乳幼児期から学童期と仕事との両立が難しい」というのが理由です。
国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査 夫婦調査の結果概要」より
ですが、よく考えてみてください。
第1子を出産する前に、まだ経験していない仕事と子育ての両立を、なぜ「難しい」と感じてしまうのでしょうか。体験していないことなのに、なぜそう思い込んでしまうのでしょうか。
これは、実際に「仕事と子育ての両立」をしている女性に対して、あるイメージを世の中が抱いているからではないかと思います。
そして、そのイメージはかなり強く、第1子を出産しようとする女性もそのイメージのままに、自分の出産後を想像してしまうことが原因の一つではないかと考えられるのです。
一方で、私の周りには、そんなイメージにとらわれず、自分らしく仕事も子育てもしていこうという女性達が大勢います。
彼女達がどうやって両立に対してポジティブな態度を取ることができているのか、まだ知られていないことがたくさんあります。こうすればいい、こんな方法もあるというノウハウや情報を、今、そしてこれから、仕事も子育ても諦めずにやっていきたいと思っている女性達が共有できれば、なんて素晴らしいことでしょう。
そんな思いで、ここでは、若い女性がどんな両立風景をイメージするのか、そして、実際はどうなのかを見ていきたいと思います。