仕事も子育ても忙しいDUAL世帯にとって強い味方が電子レンジ。ただ、どれも同じような外観をしているので、買い替えるときに何を基準にすればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。調理器具の中で最も使う回数が多いかもしれない一台だけに、買い替えるときはできるだけ賢く選びたいもの。製品選びのポイントを家電コーディネーターの戸井田園子さんに伺います。どのメーカーの製品も似たような外観の電子レンジですが、戸井田さんによればそれぞれ個性があるそうです。
電子レンジは大きく3種類に分類できる
──先日、家電量販店で電子レンジの売り場に行ってみました。どれも似たような形、似たような大きさをしているので、冷蔵庫や洗濯機以上に何を買えばいいのか分かりませんでした。
最新モデルがずらりと並ぶ電子レンジ売り場(写真はビックロ ビックカメラ新宿東口店)
確かに電子レンジは、同じようなサイズの直方体ですね(笑)。でも、同じメーカーでも高機能モデルから低価格の機種まで、色々なグレードがあるんですよ。
──確かに値段も1万円以下のものから10万円クラスまで色々ありました。何が違うのでしょうか?
電子レンジは大きく3種類に分けられます。違いは「どんな温め方ができるか」です。
──「温め方」に種類があるのですか?
そうです。電子レンジの温め方は、大きく分けて3種類あるんです。
1つ目は「マイクロ波」で温める方法。冷凍食品を温めるときに使う、いわゆる「チン」というやつですね。電子レンジで最も頻繁に使われる温め方です。
2つ目が「オーブン・グリル」。これはヒーターで加熱する温め方です。厳密に言うと、オーブンは庫内全体を温め、グリルはじか火で温めるという違いがあるのですが、1つにまとめていいと思います。オーブンはパンやケーキを作るときに使い、グリルは焦げ目を付けたい魚やグラタンの調理に利用されます。
3つ目が「スチーム」。「過熱水蒸気」と言われる400度の高温水蒸気は、塩分や脂分が落とせるので、ヘルシー志向の人達に人気です。また、蒸し器のような水蒸気加熱は、シュウマイや肉まんなどを調理するときに力を発揮します。
この3種類の温め方のうち、何種類の温め方ができるかで、電子レンジは大きく3つのグループに分けられます。
マイクロ波、オーブン・グリル、スチームという3つの温め方すべてができる電子レンジが「スチームオーブンレンジ」と言われる製品です。マイクロ波とオーブン・グリルの2つの機能を持つのが「オーブンレンジ」、そしてマイクロ波でしか温められないのが「レンジ」です。
──男性はマイクロ波でしか温めたことがない人も多そうですね。
そういう人は、女性にも意外に多いんですよ(笑)。
ですから、料理を全くしたことがないご主人が単身赴任するときに買うならレンジで十分です。まあ、「単身赴任をきっかけにハンバーグ作りにも挑戦したい」というなら、オーブンレンジを買ってもいいかもしれませんが(笑)。
──では、DUAL世帯は3つのうち、どの電子レンジを選べばいいのでしょうか?
実は最近のラインアップを見ると、スチームオーブンレンジが増えています。例えばパナソニックのカタログを見ると10機種中、スチームオーブンレンジは6機種、東芝は7機種中5機種です。
こういう現状では、あえてオーブンレンジを選ぶ理由は価格以外に見当たりません。特に電子レンジを色々使うDUAL世帯なら、スチームオーブンレンジから1つ選ぶと考えるのが現実的でしょう。
電子レンジは大きく分けて3種類。DUAL世帯なら「スチームオーブンレンジ」を