下の表ではインデックス型投信の中でもとりわけコストが低いものを紹介している。上の方は、1本買えばそれだけで世界中の株や債券に幅広く分散投資できる投信。こうしたものを毎月定額で積立投資していけば、10年、20年後に資産は意外に大きく増えていることに気付くだろう。
主にネット証券で買えるが、一部は対面型の金融機関でも取り扱っている。表に書かれたそれぞれの投信名を検索サイトに打ち込めば、販売会社の一覧などを見られる。
世界全体の株や債券に幅広く投資する投信は過去にもあったが、その多くはアクティブ型で、年間のコスト(運用管理費用)が2%程度掛かるものも多かった。しかし、最近ではコストの低いものも出ている。例えば表の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」なら年間のコストが0.74%と半分以下だ。
株と債券の比率は年齢で決まる?
では株と債券をどのような比率で持てばいいのか。投資金額の中での株の比率のごく大ざっぱな目安の一つは、例えば「100-自分の年齢」というものだ。つまりあなたが30歳なら100-30=70で、70%が株の比率となる。
株は長期では債券に比べて大きなリターンを得やすいが、その一方で上がり下がりの変動(リスク)が激しい。若い世代であれば、いくらか大きなリスクを取っても長期で高いリターンを目指した方がいいので、株の比率を多くするのがセオリーだ。
もちろん本当は年齢だけで決められるものではなく、持っている資産の大きさなどでも負担できるリスクは変わってくるので、自分の状況に応じて調整したい。
ただし1本で世界中の株や債券に投資してくれる投信は、あらかじめ資産の比率が決まってしまっている。例えば先ほどのセゾン・バンガードは、株と債券は半々だ。もし年齢が若いDUAL世帯が株式の比率をもっと高めたいと思えば、表の下部にある、日本株や外国株など様々な個別資産に別々に投資できる投信をトッピングすればいい。
こうした個別の資産に投資できる投信もここ数年で低コストのものが増えてきた。例えば先ほど、日本株に投資するアクティブファンドなら1年のコストは1.5%程度と書いたが、表の「ニッセイ日経225インデックスオープン」は0.25%と約6分の1だ。
投資対象のコア(中心)部分はこうした低コストのインデックス投信を組み合わせて、国内外の株や債券に幅広く、そして時期も分散して積み立てで投資していくことがセオリーだ(第2回目の「株価が6割下がっても利益が出る“しぶとい”投資法」参照)。
そのうえで、資金の一部でなら、さらにより高いリターンを狙うために、比較的評価の高いアクティブ投信や個別株などを組み込む選択もあるだろう。
次回は、そうした投資法に適した、高評価のアクティブ型投信を幾つか紹介する。
(文/日本経済新聞社編集委員 田村正之)