“飲みニケーション”ができず、職場で置いてけぼり
松島さんの前向きな気持ちに水を差すようだが、彼が何の気なしにポロッと口にした「自由な時間がなくなってしまって……」というひと言が、ひっかかっていた。
そのことについてさらに突っ込んで聞いてみると、「人との付き合いがなくなってしまったんです」と続ける。
平日の夜は妻に代わって子どもの世話をし、週末も子どもとふたりきりで過ごすか、だいたいは家族三人で行動をともにしている。そのため、「家族以外の人と交流する時間がほとんどなくなってしまった」そうなのだ。
特に、上司や同僚と気軽に飲みに行けないのが辛い。会社員ならば、職場の仲間と「ちょっと一杯、帰りに寄っていくか?」という流れになることもある。ところが、彼の場合は、誘われても「今日はすみません、ちょっと……」と、断るしかないのだ。
「“飲みニケーション”というように、職場の仲間とのコミュニケーションって、仕事中だけじゃないと思うんです。リラックスした雰囲気だからこそ、仕事のことも本音で語り合えるし、チームの結束も固くなる。それに、上司ともいい関係をつくりたいですし……。何だか職場から置いてきぼりをくってるみたいで、寂しいんですよね」