仕事があるからこそ、独身時代からの「自分の感覚」を保つことができる
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綾さんが担当する商品「CHARANAIL」
―― 女の子向けのおもちゃを作る部署にいて、ちょうどお子さんも女の子……。自分の娘に遊んでもらえるおもちゃを作れるって、素敵なお仕事ですよね。
鈴木 そうですね。今はまだ4歳で意見が曖昧なので参考にはならないのですが、小学生くらいになって、「私が作った商品で遊んでくれたら嬉しいなぁ」と思うことはありますね。
ただ、子どもを産んだからといって、私が特別、子ども向きの商品に目覚めたわけではないし、今、私が作りたい商品が、子どもの影響を受けているものだというわけではありません。対象年齢が違うというのもありますが……。
子どもを出産すると、仕事内容と私生活をリンクさせたい方もいると思うのですが、私の場合、仕事は仕事、育児は育児で、別腹で楽しむ方が合っているのかな、と。私は、子どもがいなかった頃から持っている自分の視点も忘れないようにしたい。今でも、独身時代の自分の感覚も少しは保てている気がしていて。
―― その感覚も、残しておきたい?
鈴木 そうですね。残しておきたいと思います。その独身時代の感覚が仕事の役に立つ部分もあります。
そして、仕事のおかげで、母親じゃない自分も持てることがありがたいです。子どもを通して、ママ同士や先輩と繋がれる一方で、今、社内でやっているように、平成生まれの20代前半の子達と対等に意見をぶつけあえる場は、仕事がなかったら持てないので。
―― そんな若い世代の人たちに伝えたいことはありますか?
鈴木 よく、子どもを産んだら人間が変わる……と言いますが、私はあまり変わらなかったんです。30何年生きてきた自分の感覚は、子どもを産んだくらいで大きくは変わらない。
でも、ママになると人生変わっちゃうイメージがある。だから、これからママになる人達には、出産したからって無理してママらしくなる必要はないよって伝えたいんです。
これからも皆があっと驚く、そして本能に訴えかけるほど心から欲しいと思える商品を作っていきたいと思っています。ママになるということは、関係なく。
(撮影/鈴木愛子)