重視するのは、お受験よりも普段の生活
訪れたのは、東京・恵比寿駅から徒歩5分という好立地にある「聖マリアン保育園」。東京都の基準を満たした認可外保育施設だ。レストランやおしゃれなショップでにぎわう通りから一本横道に入った静かな小道にある、3階建ての小さなビル一棟が保育園。基本的には1フロア1クラスずつのつくりだが、教室はだいたい1フロアに2、3に区切れるようになっていたり、小さな個室があり、個別レッスンなどを受けられるようになっている。園庭はないが、屋上にはプールを出して遊んだり、野菜をプランターで育てたりできるほどのスペースがある。
登園生の大半が、有名私立や国立小学校に受験をするこの園だが、お受験対策教室などにあるような堅苦しさや仰々しさはなく、子どもたちもTシャツや短パン姿で走り回ったり、寝転がってみたり、自由だ。正直、あまりの“普通さ”に肩すかしをくらったような気分だったが、話を聞いて納得した。
年長の部屋には、ピアノやみんなで飼っているカメの水槽などがあった。遠足や運動会など行事の後には必ず絵を描いて振り返る
屋上は、夏にはプールを出して水遊びをする。プランターでトマトやピーマンも育てており、できたら子どもたちと収穫して一緒に調理することで、食育になっているそう
「お受験対策は後に加わったカリキュラムで、元々は普通の保育園としてスタートしていますし、今でも子どもたちが長時間リラックスして過ごせる第二の家としての役割は同じだと思っています。保育士は、『お母さんやお父さんの次に好きな人を目指す』という心構えでやっています。幼稚園の教育性、保育園の利便性の両方を兼ね備えた園にしていきたい」と、案内してくれた園長代理の森一代さん。開園当時から運営に関わっている。