「自身が家計の担い手である場合は別として、主婦の起業は、夫(の収入)という保険がある」と大内さんは指摘する。生活費まで稼ぐ必要がないから、無理をしてビジネスを大きくする必要もなく、リスクを負わずにチャレンジできる利点がある。仮に失敗しても痛手は少ないのだからと割り切って始められる。さらに「甘い起業」だからこそ、働く時間を短く抑えられるので、家族との時間も大切にできる。
「お母さんが毎日イキイキと楽しく働いていれば、子どもにもいい影響を与えると思います。それに子どもはいつか手が離れるもの。小さく始めた事業を後に大きくすることだってできる。ハッピーキャリアプログラムでは、ビジネスプランづくりの基礎をしっかり学ぶので、修了後も各々が成長して、事業規模や業務内容を拡大している人も多いんです」(大内さん)
子育てや家庭のことはきちんとやりながら、それでも「何かしたい」と考え、自分の好きなこと、得意なことの延長に起業を見出す女性たち。次回は、自身の趣味やキャリアを生かし、子育てをしながら、ニッチなサービスで起業を成功させた女性2人を紹介する。
(文/田北みずほ 写真/水野真澄)