現在、偏差値54。社会科以外の成績がなかなか安定しない
セミナー会場の様子
小川先生(以下、敬称略) このお子さんは今現在、既に精いっぱいやっていることが読み取れます。気になるのは、意外に聞こえるかもしれませんが、この子の体格です。要は体力があるかないか。
体の小さい子は、テストで1つ目の科目の成績が良くても、最後の4科目目に手が回らなくなってしまうことがあります。テストの前半を飛ばすと後半でバテてしまい、前半ボーッとして始まると、後半追いつかなくなってしまう。成長期になると体力が追いついてくるので成績が上がります。だからBさんは、お子さんの体力づくりにも気を付けてあげるといいと思います。
西村先生(以下、敬称略) 私は、社会科だけができるという点が要注意だと思います。
Bさんのお子さんの話からは少し外れますが、社会科だけが偏差値55くらい、後は40くらいの子は、算数などすべての勉強が暗記になってしまっている危険性が高い。なぜかというと、勉強自体に興味が持てていないから。カテゴリー分けをして学習できておらず、むやみやたらに暗記して凌いでいるわけです。ですからもし思い当たる保護者の方がいたら、お子さんの勉強法を観察してあげてください。
Bさんのお子さんについて、私は海城は行けると思います。なぜかというと各教科をトータルして偏差値54ですから、過去の最高点ばかりを集めれば、偏差値62はいっていると思うんですね。1週間の学習計画を見直して持続力をアップさせましょう。
小川 多分この子は、お絵描きよりはキャラクターの名前を全部覚える、といったことが好きなのではないでしょうか。新しい言葉を覚えるときは思考がストップしてしまいがちですが、その言葉が何を指しているか分かればすっと繋がる。1つのことを大事にする子だから、覚えたら忘れません。
おそらくこのお子さんは塾で新しい言葉を一度にたくさん習うと、その言葉を理解し、漢字を覚えることにまず大変になってしまって、ストーリーまで行き着くことができていないのではないかと思います。だから時間が掛かる。この対策は、単純です。予習すればいい。塾によっては予習を禁止するところもありますが、気にしないでどんどん予習してほしい。翌日の塾で習うだろう新しい言葉を親御さんが一緒に見てあげて、「これはこういう意味なんだね。文章全体の内容については、先生の説明を聞いておいで」とリードしてあげることで成績が伸びるはずです。
理解力が足りないというよりも、先生が言葉の一つひとつを大事に伝えてくれていないだけ。その子に合った勉強スタイルで塾を使うという考え方が大事です。