漫画の執筆その他に多忙を極めたF先生は、極力「普通の人」であろうとしていました。毎朝6時に起床し、娘3人と一緒に朝食を取ってから定時に出社。徹夜はせず、夜は帰宅してから妻との語らいの時間をつくり、日曜は必ず休みを取って娘達と遊ぶことにしていたそうです。こうした「普通の人」として培われた感性が、多くの読者の共感を呼んでヒット作になるのだという信念をF先生は持っていました。
ビジネスの成功のためには、人一倍働くことも大切ですし、最新のマーケティング理論を学ぶことも大切でしょう。でも、妻や子どもと一緒に過ごす「普通の人」としての時間も大切なんだとF先生は説いています。もちろん、どうしても忙しいときは、夫婦でお互いにサポートし合ったり、なんらかのサービスを使うことも検討すべきでしょう。ただ、やみくもに焦る必要はないということです。
最後は18世紀のフランスで活躍した哲学者、ルソーが著した教育論『エミール』の一節から。子育てにおいてパパの役割はとても大きいもの。池上彰先生や林修先生が子どもの家庭教師をしてくれるより、平凡なパパのほうが重要な役割を果たしたりするのです。子育ては悩んで当然、パパだってきっとたくさん役に立っているんです。パタニティーブルーなんかに負けず、自信を持って前に進みましょう。
(文/大山くまお)