“ベルトコンベヤー式の流れ作業”に圧倒された
―― 自然に任せようとは思わず、不妊治療専門クリニックへの通院を選ばれたのですね。
佐々木 先ほども申しましたが、色々と調べましたので、45歳の私にはさすがに自然に授かるのを待つ時間はないと思ったんです。でも、その有名クリニックを受診してみて圧倒されてしまいました。
―― 圧倒、ですか?
佐々木 ひとことで言うと“ベルトコンベヤー式の流れ作業”だったのです。初診は予約できなかったので、午前8時受け付け開始のところ、7時過ぎに行ってみました。そうしたら既に20人ほど並んでいました。採尿、採血……と機械的に検査が進み、いざ診察なのですが、診察自体は5分もかかりませんでした。
また、そうは思いたくはないのですが、どうも私に対する先生の態度がウェルカムではないように感じました。
―― どういうことでしょう?
佐々木 親身さがないというか。私も追い詰められた精神状態になっていたので、「気のせいだろう」と思うことにしましたが……。
後日、不妊治療のことを打ち明けた友人に、私より年下で同じく不妊治療を経験した女性がいました。彼女は38歳のときに、私が診察を受けたのと同じクリニックで「あなたみたいな年齢の人が来ると、妊娠率が下がって困るんだよね!」と言い放たれたそうです。
―― それはひどいですね。
佐々木 私は面と向かっては言われませんでしたが、38歳でそうですから、45歳の私が行って歓迎されるはずはありませんよね。治療法についての説明は全くなく、高齢だからでしょうか、「最初から顕微授精から始めたほうがいい」と言われました。