ISAK設立の目的は、チェンジメーカーになれる人材の育成
ISAK代表理事の小林りんさん
小林りんさん(以下、小林) インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)代表理事の小林です。ISAKは、日本初の全寮制インターナショナルスクールとして、2014年8月に開校されました。この学校を卒業することで、子ども達は日本の高校卒業資格を取得でき、同時に、国際バカロレアによって、世界75カ国にある大学に受験・進学することが可能になります。
当校のミッションは、アジア太平洋地域そしてグローバル社会のために、新たなフロンティアを創り出すリーダーを育てることです。リーダーを育てるといいますと、とかくエリート教育と思われる方も多いのですが、当校が大事にしているのは、それだけでなく、チェンジメーカーになれる人材を育成するということです。
当初、全生徒に占める日本人の割合は5割くらいになるかと思っていましたが、現時点では日本人は3割、7割は海外からの留学生となっています。また、学費が高額というイメージがあるかもしれませんが、当初から生徒の30%には奨学金を出したいと思っていました。実際に、2014年に入学した生徒の56%には、奨学金を出すことができています。
学校がチェンジメーカーを育てるために重視していることは、まず「真の多様性」です。これは国籍だけでなく、経済的な格差、宗教観や歴史観の違いまでを意味します。それこそが、今の中学生、高校生が社会に出たときに直面する“多様性”だからです。
2つ目は「問題設定能力」です。問題を解決する力よりも、まずは設定する能力が大事だと考えます。与えられた問題をうまく、素早く解く問題解決能力も大切ですが、今の若い世代の3分の2くらいの人達は、現在は存在しない職業に就くことになるでしょう。そこは、そもそも何が問題なのかすら分からない世界かもしれません。そこで、大人から与えられた問題を解くのではなく、自ら問題を設定できる能力を重視しているのです。
3つ目は「失敗を恐れず、リスクに挑む勇気」です。失敗を恐れずに、新しいことに挑んでいく、ということを指します。新しい分野を切り開くためには、失敗の経験が必要です。それを恐れずに挑んでいく勇気を、全寮制という環境の中で培っていきたいと思っています。