英語はただのツール。重要なのは、多様な価値観を持つ人々と渡り合えるか?
右からISAK代表理事の小林りんさん、AIC.NZ.LTD代表取締役社長の桑原克己さん
小林りんさん(以下、小林) 「グローバル人材」とは、先ほど述べた「3つの力」(「真の多様性」「問題設定能力」「失敗を恐れず、リスクに挑む勇気」)を持つ人を指すのだと思っています(参照:前回記事「小林りん 今の子どもが鍛えるべきは、問題設定能力」)。
「3つの力」のうち、「真の多様性」を身に付けるために、英語はもちろん大事ですが、英語はあくまでツールでしかありません。英語を使って、多様な価値観を持つ常識ある人達と渡り合っていける力があるかどうかが問題なのです。「問題設定能力」は、グローバル人材に限らず、これからの時代を生きていく人達に必要な力でしょう。「失敗を恐れず、リスクに挑む勇気」は、これから新しい価値観を生み出す人に必要な力だと思います。
さて、桑原さんは、これまでの経験の中で「グローバル人材」についてどうお考えでしょう?
桑原克己さん(以下、桑原) 自分の経験から思うこととしては、日本の生徒と他国の生徒が最も違うのは、まず面接での受け答えです。
例えば「今の社会で、あなたが一番問題だと思うことは何か?」と問われたとき、日本の子どもの答えで最も多いのは、残念ながら「分からない」というフレーズなんです。一番衝撃的だったのは「塾で教えてもらわなかったので分かりません」という答えでした。小林さんが言われるように、英語教育だけではダメで、もっと前段階のどこかで差が出てしまうことを実感しています。