全国初の「サテライト保育」を2014年4月から実施。2015年春には2園目も
山﨑孝明・江東区長
DUAL編集部 江東区では待機児童数が前年より約100人減少、2014年度にマンション大手など民間企業の保育所12園の新設を補助金で後押しし、保育所定員を1088人増、といった報道もありました。1年間で2ケタを超す保育所の整備は過去最多とのことです。
山﨑区長(以下、敬称略) 地価は上がりましたが、江東区はほかのエリアに比べればまだ割安です。そこで認可保育園の整備を急ピッチで進めています。公立より私立のほうが財政的にはありがたいので、私立保育園を増やしています。
現状、区立保育園が33園、区立幼稚園が20園。新設幼稚園には、200人の定員のところに600人の申し込みがありました。幼稚園の需要も高いので、幼稚園も増やさなければなりません。人口の増加は読めないところはありますが、保育施設については毎年約1000人ずつ定員を増やしていく予定です。
土地が無く、地価が高いという理由で、他区が保育施設を作るのに苦戦していることはよく知っています。江東区も人口増にともなって定員を増やす必要があります。大規模マンション建築計画に当たっては保育施設を必ず併設する、また現在、保育士の不足が課題になっていますから、寮を完備して地方から人材を確保するなど、事業者は様々な試みを行っているようです。
―― 2014年4月からは、オフィスビルを利用した「サテライト保育」を始めましたね?
山﨑 はい、日本初の試みとして「湾岸サテライト保育所」として分園と本園の2カ所を新設しました。駅の近くに「分園」を作り、保護者はそこに送り迎えする。0~1歳児は終日分園で保育を受けます。2~5歳児はバスで江東区有明地区の「本園」に移して保育し、保護者のお迎え前にバスで分園に移動させるという仕組みです。ここで約270人の子ども達が保育を受けています。
とてもうまく機能しているので、2015年4月には、2カ所目のサテライト保育所を設置します。分園は、イオン東雲店の1階に設けます。本園は都有地を区が購入してオープンさせます。やはり専用バスで本園と分園を行き来させます。こちらの定員は約270人です。