「小1プロブレム」対策として、東京23区で初の「小1支援員制度」を設ける
山﨑孝明・江東区長
DUAL編集部 前回記事「江東区長 保育園の定員を毎年約1000人ずつ増やす」では、小学校に入ってからの集団生活になじめず、つまずいてしまう「小1プロブレム」のお話が出ました。小学校側の具体的な対策はあるのでしょうか?
山﨑区長(以下、敬称略) 2008年から「小1支援員」を置く対策を取っています。小学1年生が入学期に落ち着いて生活や学習に取り組めるよう、PTAの役員経験者など様々な地域の人達が支援員となって、担任教師の補佐役として生活支援を行うものです。
44の公立小学校全てに、4月の入学から7月末まで派遣しています。全クラスに支援員を配置したのは、東京23区では江東区が初めてです。支援員による4カ月のサポートのもと、児童も少しずつ学校に慣れてくるようです。支援員とは意見交換も行い、制度の改善も行っています。
―― 学童保育についてはどうでしょう?
山﨑 江東区では、44校の小学校のうち2014年度は26校で「江東きっずクラブ」を実施しています。放課後の居場所作りを目的とした放課後子ども教室事業機能をもつ「A登録」と、いわゆる学童保育である、学童クラブの機能をもつ「B登録」を一体化させた事業です。
A登録は実施している小学校の全児童が対象です。B登録は保護者が就労などをしている1~3年生が対象で、専任の職員と専用スペースを設けており、おやつも出します。保護者の帰宅時間が18時を超える場合は19時まで延長できます。土曜日は、近隣の児童館で実施します。2015年度はさらに拡大し、33校で実施します。