生後8カ月目から7カ月間の父親休暇を取得 父親としての実感が湧く
オスカー・ラーランダさん
【スウェーデン】
オスカー・ラーランダさん
(32歳・Swedish Institute勤務)
スウェーデンの公的機関に勤務するオスカー・ラーランダさんには、大学に勤務する妻(29歳)との間に3歳になる娘が1人います。スウェーデンでは法律により、男性でも有償で14カ月の「Paternity leave(父親休暇)」を取得することができます。ラーランダさんは、妻が育児休暇から職場復帰した生後8カ月目から、7カ月間の父親休暇を取得しました。
「娘と一緒に過ごし、毎日オムツを替え、食事を作って与えたことで、徐々に父親としての実感が湧きましたし、家での空き時間に自分のキャリアを棚下ろしすることもできました。それまでは海外出張が多い仕事をしていたのですが、娘と一緒に過ごす時間を増やすために出張の少ない今の仕事に転職することを決めたのも、父親休暇中にじっくり考える時間を持てたからだと思います」
夫婦ともに親は自宅から1~2時間ほど離れた所に住んでいるため、普段の育児と家事は妻と半分ずつ分担してこなしています。平日は朝8時ごろに保育園に娘を預け、夕方4時45分ごろに迎えに行きます。妻か自分のうち、朝の送りを担当したほうが夕方はしっかり仕事をし、逆に朝の送りをしなかったほうが夕方のお迎えを担当するのが夫婦のルールです。スウェーデンはもともと残業が少ないため、お迎えの担当ではない日も帰宅時間は早め。娘が1歳半になったタイミングで保育園に預け、その半年後に家から200メートルの場所にある、近所の保育園に転園しました。
自分自身、心理学者の母と地方議会議員の父という共働きの両親に育てられたこともあり、自分達が共働きをするのも自然な選択でした。来年、父より年上の母が65歳で引退するのを機に、両親とも引退する予定。同居は考えておらず、子育てに、さらに協力してもらうつもりだと言います。
「仕事と育児を両立させるために、あったらいいなと思うものは?」と聞いたところ、「柔軟性の高い勤務体系ですね」という答えが返ってきました。「今日はいつもより1時間早く会社を出て娘を迎えに行く。その代わりに、翌日はいつもより1時間長く働くというように、自分の都合で勤務時間を自由に伸縮することができれば、働きやすさが向上すると思うんです」。