日経DUAL 育児や介護などで時間の制約があるけれども働く意欲のある人は、どのような業種、あるいは職種を選ぶといいのでしょうか?
森本千賀子さん(以下、敬称略) この業種だから働きやすい、働きにくいとは一概には言えません。同じ業種でも、会社によって働きやすさが大きく異なることが多々あり、その違いは経営者の理解度や経営方針から生まれるものだからです。
先日も、オーナー系のベンチャー企業に勤める育休中の女性から、相談を受けました。「育休明けに復職した社員が少ないからぜひ戻ってきてロールモデルになってほしい」と復職を歓迎してくれていたのが、社長が交代してしまい、後任の新社長からは理解の無い厳しい話をされた、というのです。
森本千賀子さん(左)と松本洋介さん(右)
アウトプットが明確な職種は時間的な制約に強い
松本洋介さん(以下、敬称略) 一方で、職種という観点から見ると、制約社員にとって働きやすい環境の仕事は結構多いと思います。時間的な制約があっても強いのが、デザインやプログラミングといった、成果が明確に見えるエンジニアですね。
そもそもエンジニアの女性は数が非常に少なく、企業は時短でも、業務委託でもいいから働いてほしいと思っています。実際、理転する女性が増えてきていますし、それを支援する企業も多くなってきています。
人材業界でもエンジニアが枯渇しているので、企業に派遣できる人を増やす目的で、育てるところから支援するケースも増えています。
――成果が明確に見える仕事のほうが、時間的な制約には強いということですね。
松本 もう一つは労働集約で回っている仕事、オペレーションセンターのテレフォンアポンインターなどです。人手が無いと始まらないので、マネジメントもしっかりしているし、キャッチアップもしやすく、活躍もしやすい。長時間労働にならないことを売りにして、育児中を含む女性を多く採用している企業もあります。