問題は「男性は40年間フルタイムで働くもの」という前提
例えば、結婚や出産を機に仕事を辞めて、子育てが一段落してからまた仕事を始める人が少なくないため、女性の労働力率はM字型のカーブを描きます。有名な話なので聞いたことがあると思います。
ところで、男性の労働力率がどのような形になっているのかをご存じでしょうか? 男性の労働力率は台形です。学校を卒業後に働き始め、定年退職の年齢に達するまでほぼ水平な直線を描いています。男性学の視点からすれば、こうした男性の働き方が問題として認識されていないことが問題です。
「男性問題」と「女性問題」はつながっていることを、私達は理解する必要があります。どちらか一方だけを解決することはできません。共働き世帯で家事・育児分担がアンバランスになってしまうのは、「男は仕事、女は家庭」というルールが現代の日本社会に根強く残っているからです。
仕事中心の男性の生き方を変えなければ、女性の家事・育児の負担を軽減していくことはできないのです。
働く女性が増えています。だからといって、働く男性は減りませんし、労働時間が短くなる気配もありません。表面的には変化が著しい若い男性ですが、彼らも男性であるからには卒業後はすぐに定職に就き、家族を養っていかなければならないと考えています。こうした共働き世帯の増加に対応するためには、男性でも育児休業の取得や時短勤務の選択を当たり前のこととしてできるようにする必要があります。
いま、男性の働き方の根本的な見直しが求められています。男性は40年間フルタイムで働くという前提を変えていかなければならないのです。