サントリービール株式会社の企画部門に勤務する吉井晶子さん(34歳)は、第1子の育休から復帰して1年後、MBAの取得を決意しました。実家は遠方にあり、親からの日常的な育児サポートは得られない環境。それでもフルタイム勤務を続け、現在4歳の娘を育てながら、土日にグロービス経営大学院に通学しています。
吉井さんに描いているキャリアビジョンやMBAの活かし方について伺いました。
「30歳には出産したい。それまでに経験の幅を広げておきたい」
吉井さんは大学卒業後、サントリー株式会社に入社。26歳で結婚し、30歳ごろの出産を目標にしていたといいます。
「30歳という年齢は、育休から復帰した後でも未経験の職務に就いて新たなキャリアを積みやすい。一定年数の経験を積んだうえで、2人目の出産もできる。キャリアプラン・ライフプランの調整がしやすいタイミングだと考えました」
「私はどちらかというと状況に流されやすいタイプなので(笑)、『この時期』と決めなければ出産に踏み切れないと思ったんです。けれど、出産後も仕事を続けていけるのかという不安はありました。実家が遠く、親のサポートを受けることはできませんから。育児のために働く時間が制限されたとしても、会社で価値を発揮できる人材になれるよう、出産までになるべく経験の幅を広げておきたいと考えていました」
このプランを実現するため、日ごろから上司にも働きかけたそうです。入社後4年間、人事部門で勤務していましたが、「30歳までに人事以外の仕事も経験したい」と伝えたところ、その希望が聞き入れられ、輸入酒を扱う部門に異動。マーケティング・商品開発の経験を3年積んだ後、計画通り、30歳で産休・育休に入ります。
サントリービール・企画部門の吉井晶子さん