保育園で病気になったら、病児保育の保育士が病院からタクシーで迎えに来る
坂本健・板橋区長
DUAL編集部 坂本区長が行った子育て支援で、象徴的な施策を教えてください。
坂本区長(以下、敬称略) まず「赤ちゃんの駅」です。保育園、商店街などにフラッグ、ステッカーなどを掲げ、授乳室、おむつ替えの場所があることを示してもらいます。板橋区が全国で初めて手掛けたサービスで、デザイン面でも「グッドデザイン賞」を受賞するなど、評価も頂いています。
―― 地域で子育てに協力しているのですね。
坂本 6年前からは38館の児童館で、プレパパ、プレママに向けた講習も開いています。赤ちゃんとのファーストサイン講座、マタニティヨーガなどの講座があり、若いカップルに大変人気です。そして産後には、保健師が出産したお宅を全戸訪問しています。
―― 全戸訪問というのは、他区ではあまり聞きませんね。
坂本 2008年から実施しています。産後のお母さんは外出しづらいでしょうから、逆にこちらから訪問しようという発想です。さらに離乳食については、希望があれば、専門家を派遣して指導を行います。2013年の出生は約4000人、そのうち202人のお母さんが利用されました。
―― 全戸訪問をしながらニーズをくみ上げたということでしょうか。
坂本 そうですね。2009年から始めた病児病後児保育も、都内の自治体では初の試みだと思います。保護者には事前登録してもらい、お子さんが保育園で病気になり、かつ保護者が迎えに行くことができない場合、病児保育の看護師が病院からタクシーで迎えに行き、病院で保育をします。
―― 初めて聞きました。数はどのくらいあるのでしょう?
坂本 3つの病院と提携して、合計18枠あります。
―― 働く親にとっては、非常にありがたい仕組みですね。