幼児期の脳がどういう発達をたどるのかは、前編記事「『脳』と『音楽教室』の絶妙な関係とは?」で紹介したとおりだ。今回の後編は、脳神経外科医で脳科学者の林成之氏が掲げる「育脳の10カ条」を紹介しよう。
(1)興味を持たせ、自分を好きにさせる
脳は情報を受け取るとA10神経群で「好き」「嫌い」のレッテルを貼るため、楽しい雰囲気をつくり、興味を持つように誘導する。ここで「面白い」「楽しい」といったようなプラスのレッテルが貼られないと、理解、思考、記憶といった脳の機能が十分に働かなくなる。加えて、子どもが指導者を好きにならないと、学習効果も半減する。指導者の影響は絶大だ。
(2)否定語は絶対に使わない
「無理」「できない」と考えてしまうと、脳がマイナスのレッテルを貼ってしまい、思考力や記憶力がダウンする。いつも否定的に物事を捉えていると、本来はできることでも失敗したり、必要以上に時間がかかったりする。
否定的な思考は、真面目な子ほど陥りやすい。真剣になるあまり、「できなかったらどうしよう」と心配すれば、できるはずのこともできなくなってしまう。
子どもが難しいことに取り組む際には、できていることとできないことを整理してあげるのがポイント。子どもは、ただ頑張れと言われても何をどう頑張ればいいのかわからない。課題や目標を明確にし、そこに集中させてあげれば、ダイナミックセンターコアが刺激され、脳の力が増す。