ポイント2:広い部屋を成長に合わせて徐々に間仕切りしていく

 さて個室についてだが、いきなり完全な個室でなくてもよいという。はじめのうちは兄弟姉妹で一緒に部屋を使うほうが、むしろ自然な流れだろう。

 「最初は間仕切りもいっさい設けず、兄弟姉妹みんなで広々と使えばいいでしょう。片づけの習慣が身につくよう、可動式の間仕切収納を置くのも有効です。上の子が少し大きくなったら、間仕切収納を部屋の中央に移動させて空間をゆるく仕切り、自分の空間を尊重しつつ兄弟姉妹でつながっていられるレイアウトにします。さらに成長したら空間を完全に仕切り、2つの個室にすることもできます。成長に合わせてどんなレイアウトにするかを、子ども同士で話し合わせると『自分たちの部屋』という意識が芽生えるでしょう」

間仕切り収納を使った例。1つの部屋から間仕切りを使って段階的に個室化していくとよい
間仕切り収納を使った例。1つの部屋から間仕切りを使って段階的に個室化していくとよい

 広めの部屋を子どもたちに使わせていずれ間仕切りする場合は、家を建てる段階で将来を見越したプランニングが求められる。あらかじめドアを2つ付けておく形が典型的だ。

 「ドアが1つの場合でも、入ってから左右に空間を分けられる形ならかまいません。また間仕切りに天井までの高さの収納を使えば完全に個室にできますが、例えば両面から出し入れできる本棚を置いたり、カーテンで仕切ったりする方法もあります。できれば間仕切りも真ん中だけでなく、左右にずらして部屋に大小をつけられるようにするといいでしょう」

 子ども部屋をつくるときは、収納を十分に確保することもポイントになる。また勉強するスペースと寝るスペースをしっかり分けることも重要という。

 「収納スペースは部屋の半分ぐらいを占めてもかまいません。最近は子ども部屋であってもタンスのような収納ではなく、ウォークインクローゼットを設けるケースも増えています。出し入れしやすい収納を確保すれば、部屋をすっきりと片づける習慣が身につくでしょう。また子どもたちの勉強机を並べて、ベッドは別のスペースに並べるなど、“学・寝分離”を徹底することで、しっかり眠ってしっかり学ぶことができるようになります。こたつで勉強をするとすぐに眠くなってしまうし、姿勢も悪くなりがちです。姿勢よく勉強できるよう、机やイスは身体のサイズに合うものを与えましょう」

左は子ども部屋の奥に収納スペースを広くとった例。これだとすっきり片付けやすい。右は部屋を見上げた写真。寝る場所をロフトにした「学・寝分離」になっている。積水ハウス新宿展示場(<a href=http://www.sekisuihouse.co.jp/liaison/13/3053950010/)">
左は子ども部屋の奥に収納スペースを広くとった例。これだとすっきり片付けやすい。右は部屋を見上げた写真。寝る場所をロフトにした「学・寝分離」になっている。積水ハウス新宿展示場(http://www.sekisuihouse.co.jp/liaison/13/3053950010/