お店でいえば「売り上げ」=商売の規模
「GDPって何のこと?」
「お店が物を売ると、売り上げが入ってくるよね。GDPは国にとっての売り上げのこと。売り上げっていうのは、入ってくるお金の合計だ」
GDP(Gross Domestic Product)は「国内総生産」。文字通りに解釈すると、その国で作り出されたモノの総額……? 教科書を見ると「一定期間にその国が生み出した付加価値の合計」と書いてあります。
分かったような気もしながら、どうにもピンときませんね。要するにどういうことなのかを深野康彦さんにお尋ねしたところ、「お店に例えたら分かりやすいと思います」という答えが返ってきました。
「花屋さんを思い浮かべてください。色々な経費をかけて店を整え、仕入れた花を売ってお金を稼いでいます。日本が一つの花屋さんだとすると、GDPは1年間の売り上げの合計のようなものです。売り上げを見ればその店の商売全体の規模が分かるように、GDPはその国の経済活動全体の規模を示します」
仮に一本1000円のユリの花が1年間に1000本売れたとすると、売り上げの総額は100万円。日本の国がこの花屋さんなら、この100万円がGDPに相当するわけです。
売り上げが増えてこそ店の利益が増え、従業員の給料もアップするのと同様、GDPが増えないと国民全体の実入りは増えません。GDPは私達の生活水準を左右するおおもとの数字と言えます。
総務省統計局のサイトより、UN, National Accounts Main Aggregates Database