子どもには小さなころからクラシックなど、多様な音楽に親しんでほしい。でも、クラシックのコンサートへ行ったことがないのでどうすればいいのか分からない──そんな悩みを持つ人に代わって、日経DUALがご自身も子どもを持つ専門家に話を聞いてみます。
これまで、ご自身も子どもを持つ企画・制作プロデューサー、バイオリン奏者にお話を聞いてきましたが、今回お話を伺うのは、4月3日に親子向けのコンサート「宮川彬良vs新日本フィルハーモニー交響楽団 コンチェルタンテII ロウニャクナンニョみんなで楽しもう!」を開く宮川彬良さん。
様々な親子向け企画に携わってきた宮川さんが語る「子ども向けのコンサート選びの極意」とは?
「目で見る音楽」って何?
──新日本フィルと宮川さんがタッグを組んだファミリーコンサート「宮川彬良vs新日本フィルハーモニー交響楽団 コンチェルタンテII ロウニャクナンニョみんなで楽しもう!」が4月3日に開かれます。第一部は「『目で見る音楽!』あやしいピエロが登場!?」というテーマですが……。
2015年4月3日に開かれるファミリーコンサートの第一部のタイトルは『目で見る音楽!』。ステージにはピエロが登場する。その狙いは?(写真は2014年のコンサート。写真:堀田力丸)
子ども向けのコンサートに関して、僕はいろいろと試行錯誤してきたんですよ。2003年に子ども向けの音楽教養番組『クインテット』(NHK)に出演したことを契機に、子ども向けのコンサートに関わるようになったのですが、コンサートを開くたびに「なんてやかましいコンサートなんだ」とお叱りを受けて(笑)。
――大人のお客さんにですか?
子連れの方にも、です。「うちの子は静かにしていたのに、隣の子は騒いでいて、それなのに親は怒らないんです」とか(笑)。
──そこで試行錯誤をしてきたわけですね。
例えば子ども達と一緒に拍手の練習をしてみたり、「僕がこう手を下げたら静かにしようね」なんて事前に約束してみたりしたこともあります。でも、どれもうまくいかない。子どもはそう簡単に静かにはできないんです。
でも、演奏する側からすると、音楽が始まるときは静かになってほしいんです。演奏が始まっているのにざわざわしていると、弾いているほうがイヤになる。完全に静寂でなくても少しでも静かになってくれればいいんですよ。
どうすればいいか。解決策のヒントになったのが、以前、金沢市で行ったコンサートでした。
──どんなコンサートだったのでしょうか?