初対面の2人の対談がスタート! 「小宮先生、初めまして。今日は等身大のママ目線で質問していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします」(hitomiさん)
子どもはみんな言葉巧みな犯罪者についていく
hitomiさん(以下、敬称略) 上の子が今年春から小学校に入学しまして。通学や習い事、お留守番など、一人で行動する機会が増えていくので、「これから安全対策をどうしていこうか……」と夫ともちょうど話していたところでした。今日は小宮先生に専門家の立場からお話を聞かせていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
小宮信夫さん(以下、敬称略) はい、こちらこそ、よろしくお願いします。娘さん、小学校に上がられたんですね。
hitomi そうなんです。これまでは保育園の送り迎えのときも、どこかに行くときも常に一緒に行動していたのですが、これからは一人で歩くことが増えていくので、心配といえば心配で……。とはいえ、子どもに「この道は危ないよ!」と注意しても、もしかしたら他の道でも危険なことってあるかもしれないじゃないですか。なので、子ども自身が自ら「ここは危険だな」と“気”で感じて、近づかないようにすることが大事なのかなと思っているんです。
小宮 それはとってもいいアプローチですね。hitomiさんのような考え方の親御さんは、大変珍しいですよ。
hitomi えっ、そうなんですか? 実は、私の子どものころの話なんですが、当時住んでいたエリアは近辺に犯罪が起こりそうな場所が多かったんですね。そのうえ、家庭の事情で母子家庭の状態だったので、母が仕事に出かけてしまうと一人で心細くて、何か物音がするだけでもビクビクしていたんです。そのころから極度の怖がりになり、「自分の身は自分で守らなきゃ!」という意識も芽生えてきて、街を歩くときに危ない場所は“気”で感じて避けるようになったんです。
小宮 hitomiさんの危険を敏感に察知する力は、ご自身やお子さんを守るうえでとても大切なものです。もうすでに身に付けていらっしゃるから、今日は対談する必要がないくらいですね(笑)。
多くの親御さんや学校の先生は「最近は怪しい人がいっぱいいるから、気を付けるんだよ!」などと、「人」に着目した曖昧な注意の仕方をしてしまうんですね。
でも、ここに落とし穴があります。「人」にばかり着目していると、子どもには相手が怪しい人かどうかの見分けがつきませんから、結局、被害に遭うケースが後を絶ちません。
hitomi だまされて、ついていっちゃうということでしょうか?