インターネットと出合って転職 大手情報サービス企業へ
藤村 新卒で入社した会社から大手情報サービス企業へ。そしてさらに、楽天へと転職されています。順風満帆のような経歴に見えますが、実際はどうだったのでしょうか?
田島さん(以下、敬称略) いや、実はずっと日陰の人生を送ってきました(苦笑)。それは、大学時代の就職活動から始まっていて。もともとは大学院に行こうとしていたのですが、家庭の事情で急に就職することになり、皆は内定をもらっている時期に就職活動することになって。とりあえず、採用してくれた会社に就職した、という社会人スタートでした。
その後、インターネットがやってきたタイミングで、ネット通販を担当してインターネットの面白さを体験し、2年目に転職活動をすることに。
大した経歴もない2年目の私と会ってくれたリクルーターさんはたった1人でした。でも、その方に「田島さんの売りはインターネットと英語だね」と言われていたころ、インターネットを通じた情報サービスを提供する大手企業が新卒採用を再開したこともあり、その会社に入社することになりました。
そこから13年、仕事をさせてもらって、一昨年2013年春に38歳で楽天へ転職してきました。子どもは、前職時代の29歳と31歳のときに娘を出産しています。
子どもがいるからこそ、経験を求めて転職した
―― 転職活動をしても、子どもがいることを理由に不採用になったという話もよく聞くのですが、ママになった後の2回目の転職活動は大変ではなかったのですか?
田島 ワーキングマザーの友達とか同世代の人達には、「子どもがいるのに転職なんてパワーが要ることをやるなんて、信じられない」と言われたのですが、私自身は全くそう思わなかったんです。子どもがいるからこそ、稼ぎ続けなければならないと思っていましたし。それなりに良い教育を受けさせるためには、お金がかかりますからね。
正直、前の会社で働き続ける場合、あと5年はいいけれど、10年後の姿がちょっと想像できなかった。10年後も稼ぎ続けるためには、自分に経験がないといけない。でも会社全体の体制変更もあって、もっとSNSを活用した事業貢献の経験を積むには「外に出ないといけない」と感じました。
子どもがいることが足かせになるというよりも、「子ども達がいるからこそ移らねば……」と、変な強迫観念があったんです。子どもがいることは全くハンデになりませんでしたね。一応、転職先の面接では「子どもがいるので単身の人よりは制約があります」と伝えたのですが、あまりそこに触れられることはありませんでした。特に楽天は、その話には、良い意味で興味も無さそうでした(笑)。
楽天の田島由美子さん