―― たとえさく乳室があったとしても、1日に何度も席を離れるのは「さぼっているのではないか」と思われそうで気が引けるとの声もあります。
小林 労働基準法では生後1年未満の子どもを育てる女性は、1日2回、それぞれ少なくとも30分の「育児時間」が認められているので、午前・午後と30分ずつさく乳の時間はとってもいいわけです。
それでも「やりにくい」という声が上がるのは、さく乳室の認知が広がっていない部分もあると思います。当社でもさく乳室の存在を広く告知していないので、特に男性社員は部屋の存在すら知らないと思います。幅広く認知を広げて、さく乳しやすい環境を整えることも必要かもしれません。
自宅の最寄り駅、子どもの習い事……子育て情報をシェアできるサークル
―― ワーキングマザーの会は、普段はどんな活動をしているのですか?
小林 ワーママに限らず、妊娠中のプレママや男性も入会できます。現在、シングルファーザーの方も3人在籍していますし、育休中の方もいます。もちろんすべての子育て社員が入会しているわけではありませんが、各事業所に世話役を置いて、事業所単位でランチ会を行ったり、メールで情報シェアをしたりするのが主な活動です。
入会すると、会員同士に個人情報の名簿が開示されます。名簿にはメールアドレス、子どもの年齢、自宅の最寄り駅、子どもの習い事(どんな習い事を何歳から始めたか)、小1の壁をどう乗り越えたか、学童・お受験・社内託児所の経験の有無、アトピー・持病の有無、離婚経験……など、細かい項目が一目で分かるようになっているんです。
お互いの顔は知らなくても、知りたい情報があればメンバーにコンタクトして、子育てのための情報交換ができるのが一番のメリットです。
―― 忙しいワーパパ、ワーママは地域のパパ・ママ友から子育て情報を得るのが難しい部分もあるので、こうしたネットワークがあると心強いですね。