こんにちは、川合亮平です。今回は「バイリンガル子育て」を主なテーマとしたインタビューをお送りします。ご登場いただくのは英国在住のワーキングパパ、牧瀬伸行さんです。彼とは数年前、友人の紹介で知り合い、僕との共通点の多さ(妻が英国人、子どもが同じ年頃など)から意気投合した友人です。
牧瀬伸行さん(写真左)。獨協大学経済学部経営学科卒業、ICEF認定エージェント留学カウンセラー、NPO留学協会海外留学アドバイザー、実用英語技能検定(英検)1級、「Honeystone留学サービス」代表
牧瀬さんは在英11年目。現在は、奥様の実家のあるチェルトナム(イングランド南西部グロスター州にある行政区域。観光地として世界的に有名なコッツウォルズ地方の端に位置する街)で、奥様と2人の娘さんと暮らしています。牧瀬さん自身は2012年に英国で自ら興した「Honeystone留学サービス」という会社の代表で、奥様は地元の語学学校でアカデミックディレクターを務めています。娘さんは、地元のPrimary School(日本の小学校にあたる)に通う7歳と5歳です。
外国に何年いても、本人が覚える努力をしなければその国の言葉は身に付かないものですが、牧瀬さん自身は、大人になってから使える英語を身につけた努力家のバイリンガル。現地で会社を設立してしまうくらいの確かな英語力を持っています(英検1級保持!)。そんな牧瀬さんに、「子育て」と「英語」をキーワードに色々な話を聞いてきました。
流れに身を任せていたら、英国で子育てすることに
川合亮平(以下、川合) 「英国で英国人と結婚して、子育てもするぞ!」と、ずっと計画していたのですか?
牧瀬伸行さん(以下、牧瀬。敬称略) 全く考えてもいませんでした。人生の流れに任せました(笑)。
川合 娘さん達の学校で今はやっているものは何ですか?
牧瀬 ポケモンのシールがはやっているんですよ。学校に持っていくのが最近禁止になりましたね。
川合 「バイリンガル教育」について牧瀬さんにお伺いします。「両親の母語が異なれば子どもは自然とバイリンガルに育つ」と思われがちですが、それは大きな誤解だと思います。子どもをバイリンガルにしようと思ったら、親側も子側も少なくない量の努力と工夫が必要になるのは、国際結婚家庭の常識だと思います。
例えば、母親の母国に住んでいる場合、母親が話す言葉(牧瀬家の場合は英語)の影響がとても強くなります。英国に住んでいる牧瀬さんの場合、娘さん達が日本語を身に付けるのは相当な労力がいるはずなんですが、娘さん達の日本語力は今どんな感じですか?
牧瀬 7歳の長女はひらがな、カタカナを書くことができて、私の話す日本語もほぼ理解できます。5歳の次女は現在ひらがな、カタカナの勉強中です。次女も最近、だいぶ私が言うことを理解できるようになっています。
私は子どもたちに、自宅で極力日本語で話しかけるようにしています。でも残念ながら、ほとんど英語で返ってきてしまいますね。ただ、簡単な挨拶である「おはよう」「おやすみなさい」「行ってきます」「ただいま」などは日本語で話します。「ありがとう」「どういたしまして」「お水ちょうだい」といった毎日の習慣化したフレーズも、きちんと覚えてくれているようです。そういえば最近「はい」や「待って」「分かった」も言うようになりました。でも、まだまだ先は長いです……。