迷惑をかけることで始まることもある
本を出したことで、案外みんな口に出せずに色々抱えているんだと初めて分かった、と清水さん
日経DUAL編集部 原作でも映画でも、看病と育児、そして仕事に奮闘する様子が描かれていました。働くママやパパは毎日何かに追われるようで、いっぱいいっぱいになることもしょっちゅうです。育児の極意は「一人で抱え込まないこと」と著書に書いていますね。
清水浩司さん(以下、敬称略) もしこの映画に僕が思いを込められるとしたら、まさにそこ、一人で抱え込まないで、ということ。そして、人の中でもまれることの面白さと美しさです。
本を出してから、色々な人が「実は家族ががんで苦しんでいて……」と話してくれるようになったんです。長い付き合いでも、なかなか身内の苦しみみたいなものって話さないものなんですよね。日常会話や仕事の席で、そういう話はしない。
でも、僕の場合は本を出したことで「この人なら分かってくれる」と思ってくれたんじゃないかと思うんです。案外みんな色々抱えているんだなと、よく分かりました。