4細胞の受精卵を子宮に戻して12日後、いよいよ妊娠判定の日を迎えた。
妊娠判定は尿ではなく、より正確な血中内のHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を測って調べる。HCGは受精卵が子宮に着床をすると同時に分泌されるホルモンで、非妊娠時だと5以下。妊娠をしたかどうかは、この数値によって判断する。
そして、結果は、あっけなく伝えられた。
陰性。
妊娠に必要なプロゲステロンホルモン剤の使用を停止し、生理が来るのを待つようにと告げられる。4細胞の受精卵は妊娠する確率が低いので、それほど期待はしていなかったが、それでもやっぱり残念という気持ちと、またこの先、不妊治療が続くのか……というちょっとした疲労感がある。
うまく着床しなかった4細胞の受精卵。これを1個取るのに、どれだけの金額と痛みを伴ったか…。しかし、着床しなければ、体から自然と排出されて終わり。少々むなしさが残る
翌月、今度はより妊娠する確率の高い胚盤胞を移植することになった。これも前回採取し、受精させ、冷凍保管しておいたものだ。基本的に前月には、より妊娠をしやすくするホルモン剤しか取っていなかったので、翌月すぐに再度移植を行っても体のホルモンバランス的には何も問題がないとのこと。
グレードが比較的良い胚盤胞を移植することもあり、期待は高まった。先月で、卵子の採取、移植といった一連の流れをすべてこなしていたので、措置に関してはそれほど不安はなかった。
2回目の受精卵移植も無事終わり、9日後に妊娠判定だ。
高まる期待 仕事が手につかない日々
胚盤胞移植は妊娠の確率が高いだけに、前の4細胞のときよりも期待度が高く、高まる期待を抑え、冷静を保つのが大変だった。
今度こそ着床してくれているのではないか?
今、妊娠したら生まれるのは11月かな……
などなど、色々な期待を抱きながらも、同時に陰性だった際にがっかりしないように、「それでも確率は50%くらいだからあまり期待するな」と自分に言い聞かせたり。頭の中が妊娠のことでいっぱいになってしまい、仕事に集中するのが難しかったのを覚えている。
プロゲステロン2種類。ひとつは飲むタイプ。もうひとつは膣剤。受精卵を子宮に戻した後は、このプロゲステロンがとても大事になってくるので、毎日この2種類を取る必要がある
いよいよ妊娠判定の日。血液検査を終え、待合室で結果が出るのを待つこと1時間。
ナースから呼ばれて行くと「おめでとうございます! 妊娠しています!」と告げられた。
うれしい! うれしい! 私は、それまでの不安、期待、心配などから解放された、なんとも言えない充実感があり、幸せな気持ちだった。
ナースから、この先もプロゲステロンホルモン剤を引き続き取り続けるよう告げられ、この先毎週、血液検査、そして、エコーの検査が妊娠10週まで行われることを聞かされた。
妊娠10週まで毎週エコーと血液検査に通わないといけないのか……。仕事をしながら、毎週通わないといけないことは負担だが、先は明るい! 毎週通うことはその時点で、私にとっては負担ではなく感じていた。