脳は「脳番地」ごとに働き、「脳番地」ごとに成長する
今日は脳と習い事の関係についてお話しします。大前提として、人間の脳は「脳番地」に分かれて働いています。脳番地とは、同じような働きをする脳細胞の集まりと、その脳細胞を支えている関連部位の総称です。
脳番地には大きく分けると、「思考系(思考や判断)」「感情系(感性や社会性)」「伝達系(話す・伝える)」「運動系(体を動かす)」「聴覚系(耳で聴く)」「視覚系(目で見る)」「理解系(物事や言葉を理解する)」「記憶系(覚える・思い出す)」の8系統があります。
脳は脳番地ごとに成長し、どの脳番地がよく育っているかによって、その人の秀でた能力が異なってきます。どの脳番地を育てるか意識することで、得意な領域をさらに伸ばしたり、苦手な領域を成長させたりすることができるのです。なお、それぞれの脳番地の成長度合いは、MRIなどを使った検査や診断で知ることが可能です。
習い事の特性により、鍛えられる「脳番地」が異なる
脳番地の成長は一生続くものですが、0~6歳くらいの子どもは、1週間で脳の形が目に見えて変わるほど、急激に発達します。この時期に、脳番地にどんなインプットをするかはとても重要です。
同一人物のMRI脳画像。左は生後1週間、右は生後4カ月。白く映し出されているのが運動系・感覚系の脳の枝ぶり(髄鞘形成)で、わずか4カ月で大きく進展しているのが見てとれる。 ※『脳は自分で育てられる』(加藤俊徳著・光文社)より引用