忙しかった母が天火でお菓子を焼いてくれた
行正り香さん(以下、敬称略) おやつは母がよく作ってくれたパウンドケーキをご紹介、とも思ったのですが、道具が必要だし、後片付けが大変なので、今日は手軽なバナナトーストにしましょう。バナナも食パンもコンビニで買えますし。
日経DUAL編集部 お母さんは手作りおやつだったのですね。
行正 母は、天火……ってオーブンのことなんですけど、「天火で何か焼くわねー」と言って、よく作ってくれました。もっと素朴な、パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたものやおはぎ、白玉だんごなども作ってくれました。
―― お母さんも働いていたのですよね?
行正 エレクトーンの先生をしていました。忙しかったと思いますが、忙しいお母さんほど、子どもが家で食べるものの栄養を気にしたり、何か作ってあげたいと思ったりする気がします。
さて、バナナと食パンはコンビニでも買えますが、このバナナトーストの味の決め手はこれです、レモンカード。チップトリーという、イギリスブランドが出しているものがおすすめですよ。レモンの酸味がほどよく利いて、おいしいんです。残念ながらこれはコンビニには無いけど、デパートなどで手に入ります。ピーナツバターでも代用できます。
バナナトーストの作り方は簡単です。食パンの上にレモンカードをしっかり塗ってバターを載せ、その上にバナナを並べてトースターで焼くだけ。
左/行正さんは聞き上手でもある。料理の手は一切休めず、帰宅したばかりの子どもの話に「へー、そうなんだ」「そっかー」と相づちを打つ。右/レモンに砂糖、バター、卵で作るイギリスのスプレッド「レモンカード」。レモンの爽やかな酸味が広がる