特筆すべきお兄さん・お姉さん(カウンセラー)の存在
では、「蓼科ポニー牧場」で開催されるポニーキャンプの流れを見ていきましょう。
新宿駅で集合し(他の集合場所・現地集合もあり)、列車の中から「カウンセラー」と呼ばれるキャンプリーダーを中心に、トランプなどで遊ぶなかで参加者同士の結びつきを深め、緊張をほぐしていきます。
到着後の半日は“ポニトレ”と呼ばれる乗馬練習をしてから、入浴、夕食。2~3日目は6時に起床、朝にエサをあげた後、朝食、馬房掃除をし、ポニトレ、昼食。午後はポニトレか川遊びか自分で選択し、入浴、夕食。最終日の午前中は、2~3日目と同じ日程をこなし、昼食を取って帰路に就きます。
牧場から足を延ばし、近くを流れる釜無川で川遊び。ポニトレと、好きなほうを自分で選んで楽しめる
スケジュールは比較的ゆったりと組まれています。朝、虫取りをしたい場合にはカウンセラーも一緒に真剣になって虫取りに協力します。馬房掃除やポニトレなどの隙間時間に「サッカーがしたい」といった希望を伝えれば、カウンセラーも一緒になってクタクタになるまでサッカーをやらせてくれることもあります。ポニトレや川遊びの時間も、他にやりたいことがあり、キャンプスタッフがOKしてくれれば、カウンセラーのサポートを得ながら自分の好きな活動に取り組むこともできます。
夜は、カウンセラーが中心になって縁日や工作体験、お菓子作り、キャンプファイアなどの様々なイベントを開催。もちろん、5歳児など体力の無い子はイベントに参加させずに寝かしつけるなど、気遣いも万全です。
カウンセラーの存在はキャンプの大きな魅力です。とことん遊びに付き合ってくれ、自分の話に真剣に耳を傾けてくれるお兄さん・お姉さんは、子ども達にとって親とはまた違った大切な存在です。思春期ただなかのリピーター達は、親に相談できないことをキャンプに来るたび、カウンセラーに相談しているそうです。
カウンセラーのお姉さんと馬房清掃。「最初は汚いと思ったけど、ポニーのためだし、みんなと一緒だから、楽しい!」
現在大学生の娘さん・息子さんが小中学生時代、ポニーキャンプに何度も参加していたというハーモニィセンター事務局の佐藤ともえさんは、「おかげで子ども達はたくましく育ってくれましたよ」とほほ笑み、「キャンプ後の新宿から自宅への列車内では、ず~っとしゃべりっぱなし。普段は学校のことなんか全然話さないのに、楽しいことがあり過ぎて、止まらないという感じでした」と当時を振り返ります。もちろん、現在の参加者達からも同様の感想が多く寄せられています。
そんな非常に魅力的な「蓼科ポニー牧場」ポニーキャンプの開催はA日程「7月25~27日」、B「8月1~4日」、C「8月5~8日」、D「8月9~12日」、E「8月13~16日」、F「8月17~20日」、G「8月21~24日」、H「8月21~26日」。B~Fはそれぞれ最終日に居残って、次の日程に参加することが可能で、なかには8月1~26日まで全日程に参加するという強者も、毎年2~3人いるそうです。参加費は、Aが4万1700円~、B~Gが5万3300円~、Hが7万9740円~です(すべて税込み)。
日本初のポニーキャンプ開催から40年強。今では馬と過ごすキャンプを開催する団体が他にも多数あります。